病棟の面談室で、主治医から説明があった。


6月18日(火)夜、特養にて3階の嘔吐。

血圧低下で、ショック状態。

救急搬送され、検査の結果、


#NOMI(非閉塞性腸間膜虚血)

明らかな血管閉塞を認めないにもかかわらず、腸間に虚血性変化を生じる病態で、腸管壊死を生じる事が多いです。原因は、明確に判明していませんが、全身状態が良くない方(心不全の増悪やショック状態)に、発症する場合が多くです。

致死的な状態になる事が多いです。



#門脈気腫

腸管壊死(小腸)


#敗血疾性ショック



だと判明。

ハッキリとした原因はわからないが、

糖尿病

高血圧

高脂血症

の方に多いらしく、義母は、上の2つに該当する。


そして、この病気は手術しか、治療方法はない。

だけど、高齢で、かなり弱っている義母には、手術は可能だが、「手術しましょう。」と主治医がハッキリと勧められる状態ではなかった。


義母は、麻酔が出来ないほどではなかったが、体力がなくなっているのに麻酔をするのは、本人の負担は大きいそうだ。


「手術をしたとして、状態が良くなる可能性は、3割くらい。良くても5割でしょう。このお話をして、手術をされない選択をされたので、経過観察をしています。今は、低空飛行をしている状態です。やはり、今日、明日がヤマだと思います。何か質問はございますか?」



「いえ、特にありません。」


「もし心肺停止しても、心臓マッサージはしない。点滴などで命をながらえる延命治療はしない。という事で宜しいですか?」


「はい。お願いします。」


「では、病室にご案内致します。」



そして、面談室を出たら、看護師がやって来て何やら報告したら、



「すみません。もう一度入って頂けますか?」



再び、面談室。




「ん〜、やはり状態が悪化していますね。

尿の色も良くないですし、予断を許さない状態です。」


えっと、それはもう覚悟しているんだが…?

これ以上、何を聞けば良いのだろうか。

 

看護師の報告した検査結果(たぶん血液検査)が、良くなかったというのはわかった。




その後、病室へ。



モニター設置。

点滴(ハルトマン輸液)がかかっていた。


義母は、酸素マスクをし、左に傾いて口で息をしていた。見るからに苦しそうで、半目を開いているのか?という状態。


夫が、自分の名前を言って話しかけたが、応答はない。とにかく、息をするのがやっとという状態だった。


2人で義母の顔が見える位置に座った。



たまに、義母が、「はぁ」と小さく声が出ると、



「どうした?×××××××××」



と夫は声をかけていた。

私は、話しかける事はしなかったが、尿の色を見たり、手の爪や顔色を見ていた。


尿は、赤みが強い色。

顔のツヤはよく、顔色は悪くなかった。

手の爪は、綺麗に切られていた。

入れ歯を外されているので、口元だけが可哀想。

髪の毛は、おでこ付近は白髪だけど、頭上から後にかけては、黒髪が多い。



私は、話しかける言葉もなく、ありきたりの言葉をかけることはできたが、黙って見届けるのが、1番自然な気がした。


苦しそうにしている人に、話しかける言葉が見つからない。



自分の母親なら、手を握ったり、髪の毛を撫でてあげたり、足をさすってあげたりしただろう。

そんな気持ちにはならなかった。



夫は、たまに話しかけていたが、義母の体に触れる事はしなかった。




妹が入院中に、向かい合って話している時に、一度だけ両手を握った事があった。


妹は、その事をとても喜んでいたそうだ。

それは、母から聞いた。



話せなくても、手の感触はわかるんじゃないかな。義母の手を握ってあげたら良かったのに。


こういうところ、気が利かないわよね。


座っているだけだと、私は退屈だ。

夫は、急に休暇を取ったので、会社に報告したり、仕事の伝達をしたり、パソコンや携帯電話から、離れる事がない。



親戚にも連絡した方がええかな?



と、電話もする。



私は、何もする事がない。

本当は、銀行に行きたい。

義母の普通預金から、ATMでMAX50万円おろしたい。銀行は、2箇所。


病院のすぐ近くのゆうちょ銀行を検索。



あー、行きたい。

お金おろしたい。



あっ!そうだ。

郵便物あったわ!



「ちょっと、郵便物出したいから、郵便局行って来ていい?近くにあるみたい。」


「郵便物?」


「そう!この時期は、保険関係の更新書類とか、色々あるのよ。」


「ちゃんと調べてから行かんと、また迷うで!」

(私、この病院に15分で行けるところを30分かかったのよ。)


「は〜い。」


郵便局は、また鼻の先だった。

ATMでお引き出し完了。

郵便物投函完了。


少し散歩して、病院内で水を購入し、休んでから部屋に戻った。



夫は、相変わらず忙しい。

私、暇。(笑)

この間に、少しブログを書いた。

同じ部屋に夫がいるので、没頭しては書けない。

だって、すぐ近くににいるんだもん。



病院に着いたのが、8時45分くらい。

そして、昼になったので、病院内のコンビニでお昼ご飯を買い、隣のイートイン室で食べた。



先に食べ終わり、少しでも早く病室に戻りたい夫。


まだ、食べ終わっておらず、食後のコーヒーを飲みたい妻の私。



食後のコーヒーを飲まずに、また何時間も病室で待機は、嫌だ。

弁当を食べ終わり、さらにコーヒーを購入して、流し込む様に飲んだ。



そして、病室に戻った。

暫くして、入院手続きをまだしていない事に気がついた。


「入院手続き、まだしてなかったよね。

手続きしてくるわ。」


病室を出て、手続きする場所に行くと、午前中ガラガラだったのに、混み合っていた。

受付で、午前中に手続きしていたが、途中で病棟に上がった旨を伝え、順番を待った。



手続きを終え、病棟のある階に行くと、自販機があった。水を購入し、待合室でしばし休憩してから、病室に戻った。




結局、私たちは15時までいた。

看護師さんが、「急変しそうにないので、一度帰っても良い。」と言われたので、病院を後にした。



電車に乗り込んだところで、携帯に着信があった事に気がつく。



まさか、急変?



ここから引き返すより、とりあえず家に帰る事にして、最寄駅に到着。(16時)

電話を入れると、



直ぐに、病院に戻って下さい!



と言われる。

家に帰り、車で直ぐに病院に戻った。