1月3日、母のお世話になっている特養の相談員さんから、電話があった。
「お世話になっております。新年早々すみません。まず、お母様ですが、5分毎にトイレに行きたいと言われています。床に用を達する事もあります。」
「そうですか。。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」
「いえ、それは大丈夫ですよ。それで、いつも塗り絵をされているので、色鉛筆を買わせて頂いてもよろしいでしょうか?」
今までは、塗り絵をするのに特養の色鉛筆を使用していた。小さい小引き出しの中に、色鉛筆が入っている状態だった。
毎日塗り絵をする母が、色鉛筆を独り占めしているのかもしれない。
「家に、色鉛筆があります。それを持って行っても宜しいですか?」
「はい、大丈夫です。それから、毛糸と編み針を買わせて頂きたいのですが?」
「それも、家にありますので持って行きます。編み針は、かぎ針編み用と棒針がありますが、どちらが宜しいですか?」
アクリルタワシでも編むのか?
家にある毛糸は、ウール100%だよ。
この質問には、答えに困られていた。
男の方だし、編み物の経験がなければ、わからないだろう。
「はい、家にある物で大丈夫です。」
「では、5日から8日の間で面会できる時はありますか?」
「7日の10時〜11時なら大丈夫です。」
「では、10時半でお願いします。他に持って行った方が良い物はありますか?」
「もしあれば、改めて連絡させて頂きます。」
そして、1月7日10時半に面会に行って来た。
案内してくれたのは、相談員ではなくケアマネだった。
母は、談話室でテレビの方を向いて座っていた。
スタッフさんに連れられて、居室に入ると、スタッフさんは退室された。
私が持って行った加湿器は、設置されていた。
そして、前回持って行ったお花のカレンダーは、どこにもなかった。
老健では、バラバラにしてベッドの脇に並べられていたので、確認してみたけど、並べられていたのは塗り絵ばかり。
部屋の中や収納の中を確認したが、どこにもないのだ。
「お母さん、この間持って来たお花のカレンダーがないけど、どこにやった?」
「えっ?そんなんあったかな?」
母に聞いたのが、
間違いだった。
12月27日に持って行ったカレンダー、10日でなくなる。
だから、壁にかけておきたかったんだよ。
もういいや。
母に、持って来た色鉛筆、毛糸を見せ、かぎ針編みか棒針編みかどちらが良いか尋ねてみる。
とりあえず、かぎ針編みに挑戦。
毛糸にループを作り、母にかぎ針を渡すと、
鎖編みを編み始めた。
どんどん鎖編みが長くなっていく。
これ、ほっといたら永遠に鎖編みする気だな。
と、察知し、編み方を教える。
次の網目にかぎ針をさして、新しい毛糸を引っ掛けて引き抜く。
昔編んでいたから、すぐに思い出すだろうと思った私は、甘かった。
同じ事の繰り返しができない。
いちいち言葉掛けしなければ、同じ様には編めない。
これは、、、
綺麗に編むというより、
暇つぶし。
「ボーッとしているより、何かで手作業していれば良い。」くらいに考えなければいけないのだ。
あわよくば、マフラーくらい編めるんじゃないの?
と思ったけど、とんでもない。🤣
30分近くつきっきりで教えたけど、結局、編み方をマスターできなかった。
細編みをしたり、鎖編みをしたり、母の思う様に編むため、次に行った時、どんな作品に仕上がっているのか、楽しみだ。
スタッフさんに声をかけ、母にも
「30分経ったから、もう帰るね。」
と声をかけたが、
母は、編み物に夢中〜!
スタッフさんと共に苦笑。
「お母さん、編み物してないで、ちょっとは顔見てよ。」
と言うと、「あーぁ。」と一瞬顔をあげた。笑
どうやら、編み物にハマったようだ。
メルカリで、毛糸を売ってしまおうと思っていたけど、役に立って良かったです。
ケアマネには、「新しく買わなくても、家にある毛糸で大丈夫です。」と言われた。
そうよね。
アクリルタワシなんて、編めないよね。
まだまだ、私は母に期待していた事に、改めて気がついた。
どこまで編んで、私が退散したか、写真に撮っておけば良かったな。
それと、持ち込んだ色鉛筆や毛糸、編み針も写真に撮っておけば良かった。
(なくなった時、スタッフさんに探して頂く時に役に立ちます。)