昨日、週末の予定を聞いたら、日曜日にグループホームを覗くと言っていた夫。
今朝、アイロンを当てている私の所に来て、
夫が言った。
「今日のタイムスケジュール、決めよ。13時半に此処を出て、グループホームでいいか?」
本当にこの人は、絶対に1人では行かない。笑
期待通りの言葉を言うから、可笑しくなってきたわ。
「じゃあ、12時半にお昼ご飯ね。」
と言って、予定通り食べ始めた。
食べ終わってから、お腹の調子が悪くなり、13時15分に、
「ちょっと、お腹痛いから13時半には出れないわ。」と言ってトイレに籠る。
お昼ご飯後を狙って行きたい夫。
(それは、食後のデザートを持って行って、義母と食べるつもりだから。)
全然1人で行ってくれてもいいんだよ〜。と、ゆっくりしていたら、夫もテレビを観てのんびりしているではないか。
待ってるわ。
私が、「行けない」と言うまで、待ってるわ。
もう、さっさと行って帰って来よう。笑
いつものように、コンビニでスイーツを買って、グループホーム到着。(私のお腹は、すっかり回復していた)
リビングを歩いて行くと、こちらを向いていつもの場所に座っている義母。
相変わらずの般若顔。
隣には、いつものお友達。
20m位、義母の顔を見ながら近づいて行く。
じーっと目を逸らさずに、義母の所まで行った。
お隣のお友達が、ニッコリ笑って「こんにちは。」と挨拶してくれた。
そして夫が義母の肩に手を置いて、
「来たで。」
と言って、やっと隣のお友達に、
「息子よ。」と言った。
それを聞いたお友達。
「今、気がついたの?私、直ぐに気がついたわよ。」と笑っておられた。
そして、
「良かったわね。嬉しいでしょう?」と言葉をかけて下さった。
此処までは、前回来た時と変わらない。
私が義母の横に座って、目線を合わせて話していると、夫は1人でトッとと部屋に行ってしまった。
義母に私が
「お義母さん、部屋に行ってちょっとお話しをしましょうか?」と言うと、
首を横に振り、「ううん。私は此処にいるから、貴方は、彼の所に行って来なさい。」
と言うのだ。
私は、コンビニのスイーツをチラッと見せて、小声で、
「オヤツ買って来たんですよ。一緒に食べましょう。」
と言った。
今までの義母なら、直ぐに「わあ、嬉しい。食べよっか。」と言っていたのに、今日は、
小さい声で
「大丈夫。」と言うのだ。
え〜あの食いしん坊な義母が、大好きなどら焼き要らないだって〜。
すると、私に気がついた(おそらく30代)男性スタッフさんが、声をかけてくれた。
私は、スタッフさんの元へ行き、今言われた事を話した。
すると、そのスタッフさんが、
「七夕飾りを作ったんですよ〜。」
と、義母の座っている壁の方に歩き出した。
私もついて行くと、
「この飾り、お義母さんが作ってくれたんですよ。」と教えて下さった。
「お義母さん、短冊に願い事書いています?」
と聞くと、「これです」と教えてくれた。
歪んだ字で、
元気で居られます様に。
と書かれていた。
そして、その横にも
××××ます様に
と書かれている。
何て書いてあるのかわからないので、スタッフさんが義母を呼んだ。
「これ、なんて書いたの?」
ジージージーっと、短冊を持って考える義母。
「忘れちゃった。」笑
そうでしょうね。
スタッフさん、
「そっかぁ、忘れちゃったか。」と笑いながら言い、
「じゃあ、ちょっと行きましょうか。」と手を差し出した。
義母は、スッとその手を握り一緒に歩き出した。
部屋の方に誘導してくれたのだ。
途中、
「トイレは、行っておく?大丈夫?」と声をかけながら、部屋に到着。
部屋の中まで連れて来てくれて、
「エアコン入れますね。」とリモコンを取りに行かれた。
(日中、リビングにいる義母の部屋は、エアコンを切ってある。そして、リモコンは、スタッフさんが管理している。)
スタッフさんと手を話し、5歩歩いてベットに座った。
「お義母さん、若い男のスタッフさんに手を繋いで貰って、良かったね〜。」
と言うと、義母
😳こんな顔して
「繋いでたか?」
まだ、手の温もりあるでしょうよ。
早過ぎる。
忘れるの早過ぎるよ。
そして、夫が
「オヤツ買って来たで、食べるやろ?」
と出すと、パクパク食べ始めた。
爪も綺麗に切って頂いている様だ。
そして、肌ツヤが良い。
首なんて、私よりシワないんじゃない?
髪の毛は、82歳なのにごま塩だ。
このグループホームのユニット内で、外見は1番若く見えるだろう。
食べ終わって暫くすると、ケアマネさんが来られた。
義母の近況を話して下さった。
お隣に座られていたお友達といつも一緒にいて、
話し好きなお友達の話を、義母は相槌を打ち「それは良かったわね。」と手を取って喜んだり、「それは、違うわよ。」と意見したりして会話していると言うのだ。
何より相手の方が、「貴方がいてくれて、私は嬉しいの。」と言って下さるそうで、義母も「それは、私もよ。」と、お互いが無くてはならない存在になっていると言うのだ。
本当に、有難い限りだ。
誰も知らないグループホームに入所した義母だったが、お互いが必要としているかけがいの無いパートナーが、出来た。
そこで、先程の話をしてみたら、お友達の息子さんの話を少しして下さった。
東京に離れて暮らしている為、1年に1度位しか会いに来られないらしい。
「お寂しいのだと思います。羨ましいなと言う気持ちもお有りかと思います。だから、お義母さんその方に対して、遠慮されたのかもしれません。」
婆ちゃん、優しい。💓
「でも、そんな事気になさらずに、ゆっくりしていって下さいね。」
と言って、部屋を出ていかれた。
私が、
「お義母さん、仲良くしてくれるお友達が出来て、良かったね。」
「うん。」
「名前は、覚えてる?」
「ううん。(首を横に振り)わからない。」笑
「でも、顔は覚えているでしょ?」
「ううん。(また、首を横に振る)」
「顔を見たら、思い出すでしょ?」
「???」首を傾げ、笑う。
マジですか?笑
まあ、それでもいっか。。
14時12分に到着して、30分が経っていた。
そろそろ帰りたいなぁ。。
でも、一向に夫は腰を上げようとしない。
「そろそろオヤツの時間じゃない?」
と、義母をリビングに連れて行こうと声をかけたのに、2人共テレビに釘付け。
思わず、声に出してあくびしてしまった。
15時になっても、まだ帰る気配もなく、2人はまだテレビに夢中。
帰ってやる事あるんだけどな。。
帰りたい。
夫が、「晩御飯にトウモロコシを食べたい」と言っていたのを思い出し、
「そろそろトウモロコシ買いに行こうか?」
と声をかけても、「うん。」と言ったきり腰を上げない。
そうしているうちに、ドアがノックされた。
スタッフさんが、オヤツを部屋に運んで下さったのだ。
え〜このタイミングで、オヤツ?
心の声
オヤツのメニューには、ゼリーと書かれていたけど、持って来て頂いたのは、フレンチトーストだった。義母は、それを一切れだけ食べて残した。
15時20分過ぎて、漸く夫が帰る気になった。
義母は、また私たちの後をついて来ようとしたので、リビングのいつもの席に誘導した。
すると、お友達が「お帰り。」とニッコリ迎えて下さり、
義母は、「ただ今」と席に着いた。
お友達が、「良かったわね。嬉しかったでしょう。」と言うと、義母は、「ありがとう。」と言って、なんと涙ぐんでいた。
何もかも忘れる義母だが、お友達の息子さんが滅多に面会に来ない事は覚えていて、気に病んでいたのかもしれない。
優しいお婆ちゃん、みんなに慕われるお婆ちゃんで良かった。
エレベーターの前まで行くと、もう1つのユニットの方から、大きな歌声が聞こえて来た。
最初はカラオケかと思ったが、テレビだったのかな。同じフロアーなのに、義母のユニットとは大違い。
義母、歌が大好きなのだけど、いつも大きな歌が流れているというのも良し悪しだね。
静かに生活したい方もいらっしゃるはず。
スタッフさんは、入所さんの様子を見てされているとは思うけど、同じグループホームでも、こんなに違うものかと思ったわ。