所用で出かけた先のイズミヤでトイレに入った。

入ったところのスペースの真ん中に折りたたまれたブロンプトン(イギリス製折りたたみ自転車)が立ってた。

思わず「おっ」と声が出たら、近くで用を足していた男性が「あ、すみません」と謝ってきたので、「ブロンプトンですね」と声をかけた。

そこで少し自転車の話になった。

以前、ダイムか何かの雑誌で折りたたみ自転車特集に載っていた5LINKSというフォールディングバイクを心斎橋大丸にふらっと見に行って衝動買いした時のこと。

納車整備を待って受け取り、コロコロと引いて東急ハンズ心斎橋店前の地下駐車場に降りるエレベーターに乗り込んだら、40台半ばくらいのご夫婦がマジマジと眺めてくる。
「ストライダですか?」と唐突に聞かれた。

ストライダというのは三角形のフレームが独特な折りたたみ自転車で、僕はたまたま件の雑誌でその名を覚えたばかりだった。
折りたたんだ形状が5LINKSとよく似ている事はあとで知った。

「いえ、違うんです。これは5LINKSといいます。発売されたばかりのようで、大丸に見にきて買ってしまいました。
いまもらってきたばかりです。」
と答えるととても詳しくスペックをきかれ(あんまりわからんかったけど)、「見に行ってみよう」とまたきた道を戻っていかれた。

ユーノス ロードスターで能登半島を走っていた時、道の駅に入ると数台のロドスタがいた。

横目で眺めながら通り過ぎて一番奥に停めた。
用事を済ませて車に戻ると、五人ほどの男性に囲まれていた。
近寄ると、みんなロードスター乗りだった。
しばらくロードスターの話になった。

小学生から始めたサイクリング(死語ですか?)、そしてバイクツーリングではよく見知らぬ人と通りすがりに手をあげてピースサインをしたり話しかけられたりしたが、車でもあるのかと思った。

何かを媒介にして、人とほんの短い間、心がつながる。

名前も名乗らないし多分もう二度と会う事はない。

それでも、心に残る出会いというものはあるね。



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