Youtube 初投稿
<怪談・怖い話朗読> 一疋目 『あいさつ』
https://www.youtube.com/watch?v=77MZWXRXGPE
イロクロタヌキという名前で、
オリジナル怪談の朗読を始めました。
このブログにも載せた奇形童話
シリーズもその内やってみようかなと。
記念すべき一作目は、
実際に見た怖い夢を題材にしました。
夢とはラストが異なりますが、
どちらにしても
あまりにも怖かったため、飛び起きました(笑)
Youtube 初投稿
<怪談・怖い話朗読> 一疋目 『あいさつ』
https://www.youtube.com/watch?v=77MZWXRXGPE
イロクロタヌキという名前で、
オリジナル怪談の朗読を始めました。
このブログにも載せた奇形童話
シリーズもその内やってみようかなと。
記念すべき一作目は、
実際に見た怖い夢を題材にしました。
夢とはラストが異なりますが、
どちらにしても
あまりにも怖かったため、飛び起きました(笑)
初めて人を殺した時のことを思い出していた。
当時の僕はまだ十代半ば、
青春の空の下、走り回り、分かち合い、笑い合っていた。
だからこそ、あの瞬間、
何気ない日々の終わりと共に僕という人間の終わりを感じた。
丁度、高校一年の期末試験を終えた日の夜、
時間は確か八時頃だったはずだが、
今年一番という夏の暑さもあってか、
普段はそれほど口にしない炭酸飲料が飲みたくなり、
僕は自宅から徒歩で十分程の場所にある
コンビニへと向かっていた。
何の特色もない平凡な住宅街を歩いていると、
街灯に照らされたゴミ捨て場で銀色に光る包丁を見付けた。
恐らくゴミの日を守らずに誰かが廃棄したため、
回収されずに残されているのだろうが、
僕は偶然目についた小銭を拾うような軽い感覚で、
何とはなしに手を伸ばしていた。
柄を握り締めると、不思議と気持ちが昂るのを感じた。
その昂りが殺意と呼べるものだったかどうかは分からないが、
次の角を曲がり、
素行の悪そうな、俗に言う不良らしき少年が目についた時、
「アレなら問題ないかな」と、
人が人として所持しているべき理性を
瞬発的な衝動が打ち払ったのは確かだった。
夜は人の心を良い意味でも、
悪い意味でも解放的にさせる面がある。
もちろん、それは言い訳にならないが、
僕がその包丁を見付けたのが日中であったのなら、
恐らくそのまま素通りして終わりだったはずだ。
例え銀色を手にしたとしても、
曲がり角の向こうにいたのが、
何の害意も感じさせない人間であれば、
ふと我に返ったかもしれない。
しかし、それは叶わなかった。
ただし、運が悪いのは被害者である彼だけで、
僕にとっては僥倖だった。
心のどこかで、歪みを認めていたのかもしれない。
することが出来ず、するべきことではなく、そもそもする理由がない。
しかし、それらはあらゆる偶然が取り払ってくれた。
彼が死亡した動機は僕の理想の実現のためであり、
僕の志望を叶えたのは、あらゆる偶然が生んだ同期だった。
昨日、ニュースキャスターと評論家が、
僕の起こした事件について勝手なことを語っていたが、
的外れも良いところだった。
やりたいことをやっているだけで理由はない。
それが全て。
たった、それだけの人生なのだから。
悪平等な世の中
見て見ぬふりをして
綺麗ごとだけが蔓延る
テレビ画面に流れる悲惨な出来事も
日々失われていく命も
既に気にもならなくなった
僕は死んだように生き続ける
僕よりも不幸な人間を探すため
生きたくても生きられない人もいるという
くだらない戯言は捨て置いて
ただ暗い夜の底で
同じ場所に落ちてくる誰かを待ち続けている