パイレーツオブカリビアン‐生命の泉 を観た 2 | 大東キリストチャペル 伝道者のつぶやき

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クリスチャンのつぶやきブログです。2013年から集会所を寝屋川市から大東市にうつし、それに伴って名称も寝屋川キリスト福音館から大東キリストチャペルに変更しました。

この映画を観た感想を、キリストの伝道者である視点からお話しておきましょう。この映画は楽しいだけではなくて、それなりに時代考証をしっかりした映画であって、大航海時代の当時の世界情勢を表しています。映画のなかで生命の泉を目指して、主人公ジャックや、悪役の海賊黒ひげだけではありません。英国、スペインという国家までもがが泉を目指して大規模艦隊を投入してきます。映画の中で主人公の旅は英国ロンドンから始まり、スペイン艦隊は登場人物の名前すら明かされないほどの脇役です。しかし、それでも、スペインが英国を凌駕する圧倒的な力をもっといることは映画をみていてもよくわかります。(船の速度や、艦隊数、船員数等。)
また、海賊黒ひげの船「アン女王の復讐号」にフィリップという宣教師がとらわれていて人魚と禁断の恋に落ち、そちらのラブストーリーも映画のなかでは並行して進んでいきます。が、このことも宣教師は国家のバックがなければ海賊などに襲われる危険があって、とてもじゃないけども海外宣教なんてできない時代であることがわかります。

実はこれも先日お話した「キリスト集会」や「キリストの教会」などのキリスト教諸教派の伝播と関係しています。「キリストの教会」や「キリスト集会」は自分たちのグループが神様によって約200年前に聖書の真理を回復し、聖書的な真理を回復したので、神様に顧みられて世界中に広がったと信じている節があります。
たしかにそうなんです。それは否定はしません。
たしかにそうなんですが、なぜ200年前の英米で突如として発祥したのでしょうか?
それまでの信仰者はみんな目が曇っていて、私たちより劣っていたのでしょうか?
私たちの群れが優れていたからその真理に到達しえたのでしょうか?

それがパイレーツオブカリビアンを見ていてもわかるのです。
宗教改革が終わって大航海時代に入っても、海の上はスペイン・ポルトガルなどのカトリック教国が強国として君臨し、プロテスタントの英国、ドイツなどは後塵を配していたのです。むしろ、カトリックと王権神授説と絶対王政が渾然一体となった社会制度をもった国の方が安定し、国力を増大させていました。映画の中でカトリック教国スペインが生命の泉を含む異教の祭壇をつぶそうとするシーンがありますが、そのようにしてラテンアメリカ諸国、そして映画の舞台であるカリブ海諸国がスペイン語圏、カトリック教圏として形成されていったのです。そして、宣教師といえば国家をバックにしなければ、映画の中に出てくるフィリップのように海賊にとらわれる危険があったので、とても、個人や、小さな宣教団体だけでは海外宣教などできない時代でした。
キリスト集会やキリストの教会などの群れが発祥しそれが世界的なムーブメントになるには大英帝国が無敵艦隊を破り、海賊を駆逐し、通商路を確保し、大西洋をはじめとする外洋を安全にわたるようできて、さらには大英帝国内に郵便制度を張り巡らし、人、モノ、カネが国家の強大なバックがなくてもいどうできるようになったからなのです。

そして、そのような社会制度が保証された上で初めて、組織を持たずに個人が聖霊に導かれて自由な意思でキリストに使えることが出来るのです。このような背景を見ると、国家と組織が一体化していたから宣教できた時代があり、そのような組織によってキリストに導かれた人々もたしかにいたし、彼らの中にも時代的制約をうけて、その組織にとどまっていただけで真理に対して目が曇っていた人でもなければ私たちより信仰が劣っていたわけでもないことがわかるはずなのです。

私たちが聖書が示されていると信じるところに従って、組織を持たず国家から分離するのは当然です。しかし、上記のような時代背景を学ばずに「我々だけが真理を保っている」ということはやはり神様とほかの主にある兄弟たちの群れに対して不遜なことだと思うのです。



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ジョニー・デップ、ペネロペ・クルス出演映画
「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」