明日はラジソン。 | 貞平麻衣子オフィシャルブログ「Mai Diary」Powered by Ameba

明日はラジソン。

 こんばんは、素敵なクリスマスイブイブをお過ごしですか?私は明日、朝一番の新幹線で、岩手県は水沢に向かいます。寝坊しないように早く寝なくては・・・ですが、ちょっとブログを更新してからにします。


 通称「ラジソン」、正式名称は「ラジオチャリティーミュージックソン」。今回で31回目だそうですね。


 初めて参加したのは入社前の12月。正直なところ、初めて「ラジソン」というチャリティーを知ったのは、最終面接に合格し内定を頂いた後のことです。大阪のユニバーサルスタジオで遊んでいたら、019番から始まる電話番号から着信が。「ラジソンの時、雪が降るかもしれないから、スノーブーツを準備するように」と、当時アナウンス部の河辺さんに伝えられて、「スノーブーツという靴の存在を知って驚いたのが、つい最近の事のようです。


 「アナウンサーを志望した理由は」と、聞かれた回数は数知れず。入社試験では、それこそ何百回と聞かれました。採用する側としては当たり前の質問なのでしょうが、こちらとしたら「んなこと、ものの数分で語れるか!」と思いつつ、分かりやすい、受け入れられやすい言葉を選んで答えてきました。


 それでも根底にあった理由は「アナウンサーになって、『大きな声』を生かして伝えるべきことを伝えたい」というものです。上手く1行でまとまらないのが、私の志望動機のだめなところかな。


 小学校にあがる前から数年間、私はガールスカウトのメンバーとして、毎週日曜日の早朝に公園掃除をしたり、老人ホームにお邪魔して歌を披露したりと、ボランティア活動に参加しました。あの頃は「誰かの力になれている」と思っていましたが、今思うと、逆に私に沢山の大切なことを教えてくれたのが、ガールスカウトでした。余談ですが、私が海外に強烈にあこがれたのも、海外のガールスカウトメンバーが私にくれた、これまでに見たことがないほど真っ青な空が広がるアメリカの街の写真の葉書がきっかけでした。今でも宝物として、大切にしまっています。


 その活動の1つとして、駅前での募金活動がありました。暑い夏も、手がしびれて募金箱を落としてしまいそうな冬も、一人でも多くの人に協力して欲しいと、せいいっぱいの声で募金を呼びかけました。笑顔で立ち止まってお財布を取り出し、「がんばってね」と小銭を募金してくれる人もいましたが、あの頃の私は何とも言えない違和感を感じてました。改札から吐き出される人は、殆どの人が私たちの声が届いているにもかかわらず、目を合わせてくれなかったんです。


 あなたもありませんか?駅前や通りで募金活動をしていて、「募金しようかな」と思いつつ、なんだか恥ずかしかったりで素通りしてしまったこと。


 当時の私はアナウンサーなんていう職業は知りませんでしたが、漠然と、多くの人に呼びかけられる人になって、募金してもらうんだと強く思いました。それが、私のアナウンサーを志望した最初の動機ともいえる体験でした。


 そして月日は流れて、小学校5年生。小学校の文集に「将来の夢」を書かなくてはいけないとき初めて「アナウンサー 小説家」と書きました。一つに絞らないところが、ズルいですね。4年生はピアノの先生って書いた気がします。ケーキ屋さんやお花屋さんに憧れたことはありませんが、流動的に将来の夢が変わる子供でした。


 中学1年の夏、とても大切な人が交通事故で亡くなりました。人はあまりに悲しいと涙が出ないことを、その日初めて知りました。こんなに悲しい思いをする人をこれ以上出したくないと、強く強く思いました。


 他にも沢山のきっかけや思いがあって、アナウンサーという職業を希望するようになるんですが、「多くの人に募金やボランティアを呼びかけられるような『大きな声』を出せる仕事がしたい」「交通事故がなくなるように、何か力になりたい」。それが、志望動機であり、今も私の原動力なんです。


 寒い中声を出し続けると、意識が朦朧としてきます。それでも、25日の正午の時報の瞬間、幸せなんですよね。去年、IBC岩手放送を退社して初めてのクリスマス、寂しかったんです。「ラジソン、行けばよかったな・・」と。


 私が何か力になれるとは思いません。水沢で、今年は誰が来るのか楽しみにしていた方には申し訳ないです。


 じゃどうして、明日私が岩手に北上するのか。


 それは、本当に多くの人のあったかい気持ちを直接受け取れる「愛の泉」は、「幸せ特等席」だから。私の原動力になってくれるから。


 あとはね、滋賀県に住んでいる祖父母も、毎年あちらのラジソンに募金するのを楽しみにしているから。岩手で大好きな元仕事仲間にあえるからっていうのも!


 遠足前日の気分で寝付けなそうです。


 おやすみなさい。