私の誕生日プレゼントはいつもぬいぐるみだった

ぬいぐるみを毎年選べた記憶がある

 

今でも後悔しているぬいぐるみの記憶

 

ずっと「こうめちゃん」という名前だと思って調べたら「うめ吉」だった

うめ吉と言われればしっくりくる

 

うめ吉を何体も持っていた

確か4体

特大 大 中 小

小は座っているポーズでコンビニコーヒーくらいのサイズ感

大は小さな私が背中に乗れるサイズ

グレーバージョンと白バージョンがあり、私はいたってグレーバージョン押しだった

 

うめ吉を抱いて寝ていたし、ずっと夢は犬を飼いたいことだったのでとてもかわいがっていた

一人遊びでよくうめ吉は登場していた

気が付けば犬を飼う前から犬が好きだったんだ

 

私は小学生から歌を習っていたため埼玉から渋谷まで一人で電車に乗り、バスに乗って長旅をしていた

なぜ?という話はまたいつか話すとして小田急線の込み具合、幼少ということもあり渋谷からバスに乗るタイミングでとても眠かった記憶がある

学校にいって、ホームルームを受けることなく込み合った電車に乗るわけだから無理もない

 

その日はとにかく行くのが嫌だったのか さみしかったのか

お母さんに許されていない“ぬいぐるみ持参”行為をおこなった

 

ターゲットはもちろん小の「うめ吉」

片手を鞄に突っ込んでうめ吉を触ってずっと愛でていた

渋谷についてバスに乗ったとき やっと人も空いて座れるタイミングがきた

バスの一番後ろに座って鞄からうめ吉を出し、バスの窓から見える景色を一緒に眺めた

そして眠ってしまった

 

はっと気が付いたらバスの扉が閉まりますブザーが聞こえた

私は一気に立ち上がり急いでバスから降りた

 

安堵の瞬間

うめ吉がいないことに気が付いた

 

今でも覚えている

あせり 動揺してどうしたらいいかわからない気持ち

持ってきてはいけないものを持ってきてしまったため母には言えない

誰にもいえない

もうレッスンに行かなくてはいけない焦り

みんなで歌っていても頭の中は「どうしよう」しか考えていなかった

 

うめ吉は泣いているはずだ

うめ吉は寂しいはずだ

私も寂しい

私のうめ吉・・・

 

そうやって私とうめ吉は別れた

 

人生で初めての別れ

切ないがこれが私のToy story