竿に訊く FACT 70HST 67MHST インプレ | 株式会社オカッパリ バス釣りブログ

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基本バス釣り関連、その他いろいろ書いてます。

1.購入への経緯


バスフィッシングを再開して早2年半

日を重ねる毎にこれにのめり込み、今や生活の一部と言っても過言ではない。

再開当初では考えられなかった程に釣りに出かけ、

また、釣具屋に足を運んでは次の釣行への想いを馳せる。

時たま自分は一体どこに向かっているのか?

何がしたいのか?たかが趣味だろ?

自問自答することがある。

たいていこの手の疑問が浮かぶのは釣具屋で散財した後だ。

それもそのはず。

冷静になればちょっと待てと言いたくなるような買い物をしていることもある。

むしろバスフィッシング再開を心に決め、友人と釣具屋へ向かった時の衝撃を今でも
覚えている。

ルアーが高い。ラインが高い。その他小物も高い。

こんなに高価なものだったか?と過去の記憶を辿った程だった。

それでもせっかくその気になったのだからと、

友人の薦めを素直に受け入れ(本当はもっと安くていいと思ったがこのクラス以上じゃないと
薦められないと言われた)

一万円のスピニングリールと同価格帯のロッド

4lb 150m 千円程度のフロロカーボンライン

ワーム数袋にフック、シンカー類を購入し、ほとんど三万円を使い切った。

帰り道には釣りに行くことへの期待感や高揚感よりも支払った三万円への喪失感が
上回る。


実際に釣りに出てみればやはり楽しいもので、野池の小バス相手に夢中になった。

久しぶりにやったって釣れるじゃないか。やっぱり簡単だ。

このときはその程度にしか感じなかったのだが。。。

そこまでお金を掛けないでも十分楽しめる。それが釣りのいいところでもある。

だが、釣行回数を重ね、更には難攻不落と名高い霞ケ浦水系への初釣行。


目の前に広がる広大な湖面、今まで釣りをしてきた野池とはわけが違う。

そして、ほとんど素人同然の自分には想像を絶するほどに厳しい釣り場だった。

釣れない、根掛かる、魚がどこにいるかもわからない。

そんな自分を尻目にいい魚を釣り上げる友人。

この釣れない、いや、クソ釣れない霞ケ浦水系釣行を何度行ったことか。

自分は釣りに向いていない。辞めよう。本気でそう思った。趣味なのに悩み、
落ち込み、ストレスが溜まっていった。

元来、負けず嫌いの性格であるため自分が釣れないのに友人が釣れている現実はとても悔しく
それが繰り返されると自分という人間自体を否定されているような錯覚に陥る。

ここでもういいやと投げていれば今のような釣りバカ(これはいい意味であって自分への褒め言葉)

にはなっていなかった。でも投げなかった。単純に悔しかった。

釣れる人間と自分は果たして何が違うのか?同じ時間に同じ場所で同じ釣り方をしても
結果が違う。

これは勉強しなければならないと本気になった。

学んで得た知識を実践に移していく。挑戦、失敗、再考を繰り返す。

仕事以外は釣りのことばかりを考えるようになった。楽しみでもあり、
戦いに臨むような心もち。

むしろ仕事の思考と釣りの思考をリンクさせていった。

少ない知識を自分なりに組み立てては壊し、また組み立て

そしてやっとたどり着いた答えとして手にした魚。

歓喜。心の奥底から声が漏れた。

そして自分以上に喜んでくれた友人。今でも忘れない。

この時、バスフィッシングは単純に魚を釣る遊びではなく、極めてロジカルなゲームなのだと気づいた。(ゲーム性やスポーツといった言葉は聞いてはいたが実感した)


この面白さを知ってしまったら最後。あとはどこまでも深く、深く潜り続けるしかないのかもしれない。

魚を釣るという部分だけでなく、そのための道具にも興味が湧き出した。

各メーカーのロッド、リール、ルアー触れるもの、購入できるものは手の出せる範囲で購入し、
使ってみた。もはや金額がどうという問題よりも好奇心が勝っていたのだ。

更にはその道具の作り手やプロデュースしている人々へもフォーカスしていった。


2.FACTという選択


中でも個人的にひと際気になったのが

日本バスフィッシングトーナメントのトップカテゴリーであるJB TOP50 
において常勝とも言える圧倒的な安定感を持つ

福島健プロ。

自宅を工房として必要なものは自ら作るというのは圧巻。

試合での勝負スタイルや道具に対しての拘りを見聞きする限り、一般人目線からすれば
クレイジー(超褒め言葉)であり崇拝すらしたくなる。

また、売ることよりも釣ることに重きを置いていることが伝わってくる。
(正直好感が持てる、プロモーション上手な人も好きですけどね)

製品のプロモーションがとてつもなく重要なことであるのは言うまでもないが、

自分の印象では無論商人ではなく釣人。

否。

職人。

そんな職人が作ったロッドが発売されると知った時はすぐにでも買ってみたかった。

純粋な好奇心。特にキャスティングモデルのH、MHのソリッドティップはとてつもなく
魅力を感じた。

硬いのか?柔らかいのか?強いのか?弱いのか?

感じる竿?使ってみたい。


だが、プロ選手シグネチャーモデルであり、更には釣り具の高級ブランドエバーグリーンの商品。

いくら釣り具に掛ける金額に対してのハードルが下がっているとは言え、一本5~6万の竿を
購入するのには勇気がいった。

悩みに悩んだ末

ヘラクレスFACT
HFAC70HST 67MHST共に購入。

実際に購入して後悔することはまったくもってない。

むしろ正解。大正解である。

自分の実力や経験に見合った道具ではないと購入しない決断をしなくてよかった、
そう思える代物だ。

自分をはじめ、一般のサンデー(ホリデー)アングラーは年間の釣行回数など数える
程しかないかもしれない。

ましてや趣味であり、第一線で選手として戦っている人が使っている道具が必ずしも
必要とは言えない。いや、普通に考えたら不要なのだ。


しかし、逆に考えれば、限られた時間の中で最大限に満足のいく結果が欲しいのだ。

そう言う意味ではせっかくの休日、せっかくの釣りを楽しむならやはり、釣らなければならない。釣れなかったら晩酌も不味くなる。

たった一日の釣りがその後の一週間いや、一か月、半年の仕事、生活のモチベーションにも
関わってきてしまう。

絶対に釣らなければいけないわけではない。

でも絶対に釣りたいのだ。遊びでも。


我儘だ。極論、練習をしないで試合で勝ちたいのである。

釣れれば

もっと釣りたい、次はこう釣りたい、記録を更新したい、一緒に行くあいつよりも釣りたい、今日この日に釣りをしている誰よりも釣りたい。

そして少しばかりの勘違いもしたい。

自分は釣れる、自分は上手いと自己陶酔。
(これは釣り仲間で酒を飲んだ時に誰もが感じると言っていたこと)

闘争本能と自己顕示欲。

もっと言えば高価な道具を使用していることが仲間内、
釣り場限定のステータスともなり得る。

多かれ少なかれのミーハー根性。

そんなあらゆる欲を満たすのに一役買ってくれ、

知識や経験といった足りないソフトの部分をハード(タックル)で補う。


全ては大いなる自己満足を築くため(釣れなかった日には落ち込みは倍増)

FACTに限ったことではないが、こういったプロモデルの道具はプロがプロであるために
培った、経験や知識、そして、時間、金の結晶。

そういった金に換えがたいエッセンスが加えられた道具は高価であって然るべき。
(と、悩む自分を納得させましたとさ)

3.インプレッション


長々と書いて本題。(たまに長文書きたくなるんです、すみません)

70HST、67MHSTともにソリッドティップ搭載モデルでコンセプトに

ラインの重さを感じるとある。

実際に70HSTでは流木絡みのカバーに7gのテキサスリグを投入してバイトを取ることが
できて、そのときの感覚には正直驚いた。

14lbラインで太めの流木にラインが乗っている状態、かなり緩めのラインテンションで

ふわっとロッドを煽ってアクションを加えていると確かにラインに掛かる重みに変化がでたのだ。初めは半信半疑だったが一気にラインを巻き取りフッキングをすると

小ぶりながらバスだった。

このときは年一、二回のボートフィッシングでのカバー撃ち(遠距離)で、道具の力を借りたのは言うまでもない。ただ、その後下手くそすぎてフッキングがまともに決まらなかったことも言うまでもない。

オカッパリでのカバー撃ち(近距離)ではハリはあるが超繊細なソリッドティップに驚かされた。

やや先重りのおかげか

バスがバイトするとラインに出た微妙なアタリをティップが入って教えてくれる。

今まで使ったヘビーロッドとは異質。

そしてもちろんH表記パワーは多少ごちゃごちゃとしたカバーからでもバスを抜きあげられる。

ただし、ソリッドティップ+オールシングルフットのガイドであることもあり無茶をするロッドではない。

無茶をしたら病院送り。

オカッパリメインの自分には活躍の場は正直少ないのかもしれないが積極的にカバーを打ちたく
なるロッドには間違いない。というより積極的にボートフィッシングに行きたくなる。

そして67MHST

オカッパリメインの自分には絶対的に67MHST。

3~5gシンカーの撃ちものが一番よく、

アタリを感じて「竿に訊く」ってよく言われる、魚がいるかいないかの確認作業。

これ必要なし。

この竿は使用者の質問を訊く前に答えてくれるとてもお利口さん。

来年あたりiPhoneのSiriは67MHSTに入れ替えられるかもしれない。

男性の声×関西弁で教えてくれるだろう。

「すみません、よくわかりません」

なんてことは絶対に言わず、

訊かれなくても答えるわボケ!!

はよフッキングせぇぇやぁぁ!!

と、確信を突いてくる事は容易に想像できる。
この竿。本当にすごい。

そして操作感も素晴らしい。バランス◎

繊細さと強さを合わせ持つソリッドティップは素早い動きもスローな動きも
どちらも対応可能。

そして多少雑なアクションでも修正してくれる。所謂手ぶれ補正機能。(勝手にそう思ってます)

これまでロッドを軽く見ていたとは言いたくないが
その節は大いにあり、その価値観や
思考を見事に叩き潰されてしまった。

ロッド本体重量は実際、軽い。(さすがエバーグリーン)

たまにいる軽い口調でキツイこと言うタイプか。この竿は。
悪気がないから余計に困る。

更に言ってしまうと、一本で釣りしたいオカッパラーにももってこい。

もちろんコンセプトから外れるのだが、

ある程度の巻物もストレスなく使えるし、いい意味でMH感がない。

魚とファイトしてる時だけMHのパワーを感じられ、40アップくらいなら瞬殺。赤子の手首。
(ガチムチ筋肉ダルマじゃないけど腕相撲強いやつです。)

ワームのサイズにもよるが、かなりフィネスよりのスタイルも可能。
2.7gのジグだけでもしっかり重さが乗る。

そもそもイメージは強めのベイトフィネスって感じだ。

スペシャリティであり、割とバーサタイル。

使い手の意のままにルアーをコントロールできるロッド。

FACTはベイトタックルでのジグ、テキサスが好きじゃないという人ほど使ってもらいたい。

自分もそのタイプだったが、間違いなく釣りが楽しくなる。

つまり釣れる=FACT(事実)



4.総括


既に発売されてから1年経ってるんで今更インプレ感あるんですけど、自分の購入するにあたって
検索した際あまりヒットしなかったので。。。

今後購入される方の参考になれば幸いです。

そして最後まで読んで頂いてありがとうございます。

この次のインプレは簡潔に書きますのでお許しください!