あいつに出会う前の私は、ただなんとなく生きてるだけだった。
私には当時10歳になる娘が居た。
娘が2歳のとき、シングルマザーになり、女手一つで娘を育ててきた。
でも、母親になりきれない自分が居て、子供が出来たことによって恋愛も出来ない自分を惨めだと感じた。
人に愛された事もないと感じていたし、自分から他人を愛すことも受け入れる事もできなかった。
毎日ただ働いて生きてるだけ。
なんの張り合いもなく、生きた心地もしなくて、働いて外で嫌味を言われ、家に帰れば娘の世話。
何度も死にたいと思っていた。
生活は毎月カツカツだった。
母子手当てなんて生活の足しにもならず、朝から晩まで働き通しだった。
いよいよ明日の米が買えないと感じたので、私は夜、子供を実家の母に預け
スナックに働きに出ることにした。