55年前の8月の夕食時に従姉妹のなっちゃんが家を飛び出した話の続きを書ますね。

 

  河川敷でなっちゃんを発見しました。

 

 

家を出たなっちゃんを追って、空き地や河川敷を探したら、河川敷に一人の子どもの姿をみつけました。

河川敷の所にある電球がついた昔の街灯に映し出されたその子は、なっちゃんでした。

近づくと、なっちゃんは、まるで誰かとお話しているかのように独り言を言っていました

私は、なっちゃんを抱きしめて「家に帰ろう。みんな心配しているよ」と言って、なっちゃんの手を引いて家に帰りました。

 

  家に帰ると祖父母は怒りまくってました。。。。

 

なっちゃんを連れて帰るまで1時間弱かかったので、祖母は「いったいこんな時間までどこをうろうろしとったん!なんかあったら舞の両親に何言われることか!」と怒っていました。(え?そこ?なっちゃんの心配じゃなくて、私の両親に責められることの心配?)

祖父は何も言わずになっちゃんの頭にげんこつをおとしました。

なっちゃんが、大泣きをしたので、私はなっちゃんと弟とをとりあえずお風呂に入れて、寝かしつけました。

弟はすぐに眠ましたが、色々あった私となっちゃんはなかなか寝付けませんでした。

 

  なっちゃんに何故河川敷に行ったのか尋ねると。。。

 

なっちゃんは、祖父母に迷惑をかけたくないと思ったので、それで子ども会で、おじさんに聞いた話を思い出して、あの世(天国)に行けば幸せに暮らせると思ったのだそうです。

そして、川をどんどん下っていけば、あの世(天国)に着くと思って河川敷に行ったのだそうです。(精霊流しでそう思ったみたいです。詳しくは↓を読んでみてください。)

 

  そこで坊主あたまのお兄ちゃんと出会った?

 

なっちゃんが言うには、天国に行こうと川に近づいて行ったら、後ろから坊主あたまのお兄ちゃんに「何してるの?」と声をかけられたと言うのです。

なっちゃんは、事情をお兄ちゃんに全部話し、祖父母に迷惑かけて怒られるのが悲しいから天国に行こうと思って川に来たと話したそうです。

お兄ちゃんは、なっちゃんの話をとても優しい目をして、全部聞いてくれたそうです。

そして、お兄ちゃんはなっちゃんにこう言ったそうです。

 

「それは悲しかったね。よく我慢できたね。なっちゃんはお利口さんで優しい子だね。きっと、なっちゃんが天国に行ったら、寂しくて悲しむ人がいるはずだよ。天国に行ったら、その人たちと遊べなくなるよ。それにね、あっちに行っても何も変わらないよ。楽になんてならないよ。だから天国に行こうなんて思っちゃいけないよ。ほら、なっちゃんを大切に思ってくれてるお姉ちゃんが迎えに来たよ。お姉ちゃんと一緒にお家へ帰りなさい。」と言われたらしいのです。

 

  おそらくまた、なっちゃんの空想なのでしょうが。。。

 

小さい子は脳の発達が未成熟で空想と現実を区別する壁?のようなものが発達していなくて見えないものが見える子がたまにいると言う説を57年前に聞いたことがあります。↓

 

なっちゃんに「まいみ姉ちゃん、お兄ちゃんみたやろ。」と聞かれましたが、私には、なっちゃん以外の人影は見えませんでした。

でも結果として、私が空き地を探しに行っていた間、そのおにいちゃんがなっちゃんを引きとめていてくれたおかげで、なっちゃんは事なきを得たのです。

もちろん、なっちゃんはこの世をはかなんで、天国へ行こうとしたわけではありません。

おそらく天国へ行く意味もよくわからないまま、祖父母に迷惑をかけたくないから家を出て、行くあてがないから、子ども会のおじさんが言ってた、すてきなパラダイスへ旅に出ようとしていただけだと思います。

それでも、なっちゃんが川で溺れたりしたら大変でしたから、何事もなくて良かったです。

 

  なっちゃんの言う通り、お兄ちゃんがいたとしたら。。。

 

お兄ちゃんは私には見えなかったし、お兄ちゃんが消えたとしたら、それは怪談話になってしまいます。

でも、なっちゃんの経験は、おどろおどろしいものではなく、とてもさわやかでとても美しい経験に思えます。

なっちゃんは、今でもそのお兄ちゃんのことを覚えていて、お兄ちゃんとお話できたのを素敵な思い出として宝物のように思っています。

 

こんな素敵な話は、怪談話ではないと思った小6の舞婆でしたというお話でした。

お粗末さまでしたΣ(ノ∀`*)ペチョン