コロナに関しては、誤った情報がメディアから流され、誤解させられていることがあります。
①鼻や のどの粘膜から感染 → 血管内皮細胞から感染
②肺疾患 → 血栓症による血管疾患。血栓が飛び多臓器に梗塞をおこす。
③ACE2受容体は、呼吸器に多い → 小腸、大腸、胆嚢などの消化器系に多く発現。
④飛沫感染 → 経口糞口感染、そしてオミクロンからは飛沫感染に?
⑤オミクロン株にはブースター接種 → スパイクの変異によって粘膜感染も可能になったとされるため、ACE2とウイルスのマッチングを阻害するワクチンでは粘膜感染の発症、重症化を予防することはできない。
などです。
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①肺やのどの粘膜から感染②肺疾患という思い込みから説明します。
これは、いわゆる「ただの風邪」や「インフルエンザ」の延長線上に「新型コロナ」があるという勘違いから起こります。
なので、「風邪」についてよく知る必要があります。
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風邪
風邪の7~8割がウイルスによるもの。
その中でも、
「ライノウイルス」が30~80% (いわゆるただの風邪)
「コロナウイルス」が15% (たちの悪い風邪が含まれる)
「インフルエンザウイルス」が10~15% (冬に毎年流行する呼吸器疾患)
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さらにコロナウイルスは7種類あり
粘膜感染型と血管内皮細胞感染型に分けられます。
血管内皮細胞感染型 (たちの悪い風邪)
NL63 (ACE2受容体)
SARS(ACE2受容体)
COVID-19 (ACE2受容体)
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粘膜感染型(ただの風邪)
229E (APN受容体) (オミクロン株がこの性質を手に入れた可能性あり。)
HKU1 (Neu5Ac受容体)
OC43 (Neu5Ac受容体)
ちなみにインフルエンザウイルスも粘膜感染型です。
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MERS-CoV (DPP4)???
マーズに関してはおそらく粘膜感染型だと思われますが、正直よく分かりません。
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さて、ようやく本題です。
風邪の90%がのどや鼻の粘膜から感染、増殖、発症するので、新型コロナも同様に考えてしまいます。
しかし、のどや鼻の粘膜に新型コロナウイルスの入り口である「ACE2」はありません。
ウイルスはのどや鼻、口腔内の傷口や炎症箇所から、血管内に侵入します。
が、免疫細胞だらけの血管のなかでは、そのほとんどが排除されます。
よって、感染してもほとんどの人が軽症や無症状になります。
ゾンビ映画で例えると分かりやすいと思います。
ゾンビ(免疫細胞)だらけの世界(血管内)で、人類(ウイルス)は ほとんど無力です。
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しかし、免疫力が低下している高齢者や基礎疾患のある方、肥満の人、
ワクチンで自然免疫系が抑制されている人は重症化のリスクが高まります。
ウイルスは死にもの狂いで「血管内にわずかに点在する」ACE2を探します。
そして少しずつ感染、増殖、免疫による排除を受けながらも、命からがら生きのび、
ウイルスの楽園である(ACE2の満ち満ちた)消化器を目指します。
この一連の流れが、潜伏期間の長さの所以になります。
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③ACE2受容体は、呼吸器に多い → 小腸、大腸、胆嚢などの消化器系に多く発現。
私たちはACE2受容体が鼻やのどや気道上にあると勘違いしてます。
しかし、実際は消化器系がほとんどで、呼吸器系はわずか20分の1しか発現していません。
つまり、新型コロナウイルスは消化器までたどり着かなければ、増殖、発症する前に免疫に排除されてしまう
感染しても重症化しづらい病気であるといえます。
しかし、消化器で、増殖、発症、また増殖の連鎖を許せば、血栓が全身に飛び、多臓器で炎症をおこし、
多臓器不全や死に至る病気であるとも言えます。
ACE2発現は、主に腸球、腎尿細管、胆嚢、心筋細胞、男性生殖細胞、胎盤栄養芽細胞、管細胞、眼、および血管系において観察された。呼吸器系において、発現は限られており、少数個体の細胞のサブセットにおいて発現が少なく、または低い発現しかなく、1つの抗体のみで観察された。
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④飛沫感染 → 経口糞口感染、そしてオミクロン株からは飛沫感染?
例えば、コンビニのトイレで、コロナウイルス感染者がウンチした場合、
トイレの便座やドアノブ、水栓レバーやスイッチ類には最長で2週間ウイルスが残ります。
その2週間の間にそのトイレに入った人の手にコロナウイルスは付着し、
ウンチをしながらスマホをいじることにより、スマホも汚染されスマホ画面上にも2週間ウイルスが付着し続けます。
さらにお会計で支払う硬貨や紙幣にもウイルスは付着します。
その後に、電車に乗って、スマホをいじりながらつり革を握れば、つり革にもウイルスは付着し・・・
こうやってウイルスは無限に広がっていきます。
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対策としては、
・便座やドアノブのアルコール消毒
・トイレでスマホをいじらない、スマホのアルコール消毒の習慣化
・石鹸で手を洗う
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もちろん感染者の飛沫にもウイルスは僅かながら存在します。
しかし、コロナウイルスの消化器系で増殖するという性質により、ウイルスの多数は便にふくまれます。
と、ここまでが「武漢株」からはじまり、「アルファ株」「デルタ株」へと変異してきた新型コロナの特徴でした。
が、
オミクロン株ではスパイクの変異がおこり、飛沫感染するいわゆる「ただの風邪」へと変質したようです。
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⑤オミクロン株にはブースター接種 → スパイクの変異によって粘膜感染も可能になったとされるため、ACE2とウイルスのマッチングを阻害するワクチンでは粘膜感染の発症、重症化を予防することはできない。
新型コロナの一番おそろしかったところは、
「血管内で増殖し血栓を作り、血流にのって多臓器に飛ぶ」という性質でした。
しかし、オミクロン株ではスパイクが変異し、のどや鼻の粘膜で感染し、
のどや鼻の粘膜や気道で炎症を起こすという、「いわゆるただの風邪」と同じ性質になったようです。
血管で炎症を起こし血栓を飛ばす → のどや鼻で炎症を起こし鼻水やくしゃみを飛ばす
というものに変化したようです。
ACE2(血管内皮細胞)感染に効くワクチンは、粘膜感染するウイルスには効果が見込めないということです。
のどが痛い人に胃腸薬を与えても治らないのと同じです。
そして、ブースター接種によって
中和抗体を増やす → 感染増強抗体を増やしADEリスクを高める
免疫力が上がる → 自然免疫系を抑制し感染しやすい体質にかわる
ということになりそうです。
オミクロン株の病態について、
感染受容体の特異性が低下した。ACE2以外の細胞膜表面分子に結合するように変化した。
特異性がなくなり色々なものと結合できるようになり、感染力が上がった。
その一つにAPNアミノぺプチダーゼNがあり、これは旧型かぜコロナ229E型の感染受容体である。
日本人は、この229E標的型の旧型コロナかぜウイルスに古くから曝露されており、
これに対する交差免疫記憶を持っているので、日本では大半が無症候感染か軽い風邪症状で経過すると考えられる。
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では、よいお年を!