かけがえのない人々 | 轟天轟海

かけがえのない人々

昨年のこの日、友人がまだまだ若くして旅立ってしまった。
自分を含む、他の友人たちの持っていたイメージでも、
一番「元気でタフな人物」だったが、
闘病の末、いってしまったのだ。

多くの肩書きを持つ彼であったが、その小説作品の中で
主人公たちが夜空から街の灯を見下ろして語る場面がある。

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美しい、と思った。

人口の灯なのに。

人の手が作ったものなのに。

なのに、自然の星空よりも美しいのだ。

どうして?

「ルシャゼリウス」

それが、この街の名前だった。

「精霊の古い言葉で、人の住む丘、って意味だ」

「人の・・・・・・住む・・・・・・・・・・・・」

・・・・・・あっ。

そうか。

そうだ。

だから美しいんだ。

だからこんなに綺麗なんだ。

生きているからだ。

地べたに張り付いて細々と光る、この光は全て生きているからだ。

そこに、人がいるからだ。

そこで、誰かが精一杯の人生を生きているからだ。


「あの光の一つ一つで、人が生きているんだ」


「これから先・・・・・・その中の何人と出逢えるんだろうな・・・・・・」

出逢う?

これから?

知らない人達と?

まだ逢っていない人達と?

はるか地上に散らばる、今は小さな光の点にしか見えない誰かと?




みんな違う場所で、違う時に生まれて、それぞれに生きてきて、そして出逢う。

一人一人の後ろには、生まれてから出逢うまでのものがあって、

それは全く違うものなのに、出逢った瞬間から重なり始める。



「神曲奏界ポリフォニカ/ブラックシリーズ12巻/プロミストブラック」
大迫純一 著 より

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人生とは、出会いと別れの連続だ。

自分も勿論そうであったが、
色々な人たちと出会い、友となったり、影響されたりしながら
今の自分が創られてきた。

そうしてこれからもそうであろう。

当たり前の事と言ってしまえば それまでだけど、
それはとても大事な事であると、改めて感じさせられた。


彼がもうこの世にいないことが残念でならない。
もっと、もっときちんと色々語り合えればよかったと、
今になって痛感するばかりである。


だからこそ、今いる友人や仲間や、家族などを
大事にしていきたいと思う気持ちが余計につのる。