朝の光をすくう人(AI作)
彼女は、朝の光がまだ柔らかい時間に、ひとりで海沿いの道を歩いていた。
胸の奥に昨夜から続く小さな不安が残っていたけれど、潮風が頬にふれるたびに、その不安は少しずつほどけていく。
海の向こうから、誰がが歌っているような気配がした。
声ではなく、風の揺れ方や、波のリズムがつくる"音の気配"。
それは彼女が好きな曲の雰囲気にとてもよく似ていた。
ふと足を止めると、光の粒がひとつ、彼女の足元に落ちてきた。
拾い上げると、それは小さなガラス片のようで、触れると温かい。
まるで曲のサビの一瞬だけが、形になって落ちてきたみたいだった。
「大丈夫だよ」
誰かが言ったような気がした。
振り返っても誰もいない。
けれど、その声は彼女の胸の奥にすっと染み込んで、
昨夜の不安をそっと溶かしていった。
ガラス片をポケットにしまい、彼女はまた歩き出した。
海の光は少しずつ強くなり、風は優しく背中を押す。
その瞬間、彼女は気づいた。
"好きな曲"はただ聴くものではなく、こうして自分の背中を押してくれる"光のような存在"なのだと。
そして今日も、彼女はその光をすくいながら歩いていく。
静かで、強くて、優しい音の世界を胸に抱えたまま。