猿若祭2月大歌舞伎

幕見で野崎村を観てきました。



12月の歌舞伎座夜の部、玉様目当てで行ったのですが腰元さんたちのなかにすごく素敵な方がいるな!?と。いつも筋書き買わないのでネットでめちゃめちゃ調べて、中村鶴松さんと判明。歌舞伎の家の出ではないけれど実力のある方なのね!と。(そもそもお家とか関係なくなると良いなとは思ってますが、やはりいろいろあるんでしょうね)


その方が歌舞伎座で主役!ということで千穐楽に滑り込み。SNSでの評判も良いし、幕見も売り切れが続いてるらしいと知り、前日にがんばったわたし。(自分の本番直前w)


冒頭、舞台上で大根を切るシーンがあって。

ほんとにまるまる一本刻んでるんですよ。

しかもめっちゃ上手。これ練習されたんだろうなあ〜。しかも千穐楽だったしかなり上達してたはず。

こういうところがちゃんとできるって、それだけで嘘ついてないんだなって思うし、本人も役でいるためにすごく必要なことなんだろうなとしみじみ。ずっとオペラで手元見ちゃった(笑)



そしてお芝居、とても良かった。


お話としては、お光という女の子が主人公。

許婚が突然帰ってきたから父親が祝言するぞ!となり、ワクワクしていたところ、その許婚が働いてる店のお嬢様といい仲になってるらしいと知る。そしたらそのお嬢様が訪ねてきたもんだからすったもんだあり、結局2人を結ばせるためにお光はなんと自分で髪をおろし尼になり2人を見送る。ざっとそんなかんじです。


まじ、男!嫌な奴!(笑)

決して気持ちの良い話ではないのだけど。

わたしだったら、はよ帰れやこの女!って言っちゃうかもしれない。(笑)




鶴松さん。

あれですよね、

やらない

の境地。


悲しいよ、結婚できると思ってた人には想い人がいてどうみてもその女と結ばれたがってる。だから彼の幸せのために自分は身を引く。

絶対悲しいんだけど、その悲しいを説明しない。かくすよねー、そうだよね、大好きな人の前だもんね、と。


むしろ笑顔で見送る。

お光ちゃんの心の糸が、どうか彼の前で切れませんようにと、お客さんが祈ってしまうほど。

彼が見えなくなったあと、ラストシーンは堰を切ったようにお父さんにすがって泣いてしまうんですよね…よく我慢したよ…と苦しくなりました。


気づいたらずっと涙が出てたな…

心に響くお芝居を届けてくれた鶴松さんに拍手。私もあんなふうにできるようにこれからも頑張ろう。

中村屋の連獅子も観たかったな…(ごめんよ夕雅ちゃん……)


歌舞伎、これからも楽しむぞー!