【頑張れ会計士受験生!】会計士に英語は必要か? | 公認会計士まーやんの「でっかい声で独り言!」

【頑張れ会計士受験生!】会計士に英語は必要か?




論文式試験を終えた受験生から寄せられるご質問、ご相談に、
「少しでも就職に成功する確率を上げたくて、今英語の勉強をしています。
 これは評価してもらえることでしょうか?」と
言うような内容が含まれていることが多いです。

最近はあまり受験生と接する機会は多く無いのですが、
それでも、限りある接点の中で、このようなことはほぼ確実に
聞かれることなんです。


今回はこのブログを活用して、
そのご質問にお答えしようと思います。




【就職活動のための英語として】

…であれば、
厳しい言い方ですが「殆ど評価されません」としか言えません。


英語というのは習得に時間がかかるものです。
英語だけの環境に身をおいても、長い人では数年という時間が
必要といわれます。



また、単に「英語を頑張っています」という自己申告だけでは
どうしてもパンチが足りないので、「実績」をアピールしなければならないとすると、
「時すでに遅し」という感じでしょう。

合格発表前に結果が通知されるTOEICは9月11日のもので最後でした。
英検準1級なども、2次試験は年末に行われるはずですから、これも間に合いません。
…となると、英語力をアピールできる人は
「もともと、英語が得意だった人」だけ、ということになる。

論文式試験終了後、就職活動を始めるまでの3ヶ月で
・英語をしっかり勉強して、
・しかも、アピールできるほどの成果を出す
というのは非常に困難だと思います。


強いて言えば
「英語をどのように学んだか」という点で特徴を出せれば、
多少なり、アピールポイントになりうるとは思います。

例えば、
・1ヶ月間語学留学をしてました。
・日本国内で、外国人20人と英語で喋って、メールアドレスを交換しました。

こんな感じのものであれば
英語を学ぶという意識であったりとか、
英語以前にコミュニケーションを積極的に行える素質であったりとかは
伝わるのかもしれません。


ただ、
・これからも英語を頑張りたいと思う
・試験のあと旅行に出て色々な文化に触れた
こういうレベルのものですと、思ったほど他人に響かない
アピールになってしまいがちです。

出来るだけ、具体的に何をどのように得たのかを
語れるようになっていたほうが良いでしょうね。

…これはもはや英語うんぬんではなくて、
面接そしてその前提となる自己分析の段階で
当然求められる内容だろうと思います。






【会計士に必要な英語として】


ブログのテーマにもした
「会計士に英語は必要か?」という話。


これからますますボーダーレス化が進んでくれば、
英語の必要性というのは間違いなく上昇していくでしょうが、
日本の公認会計士にとって、それはどれくらいの影響でしょうか。


私なりの答えは「人それぞれ」です。

例えば、
グローバル企業の監査を一人前にこなす会計士であれば、
当然、そこそこの英語力は必要になります。
仮にTPPのようなものが成立すれば、外国会計士は私達の商売敵に
なる可能性もある。
そうすると、英語の必要性はどんどん増していくでしょうね。

いっぽう、
独立して地域の中小企業を相手に頑張っている会計士であれば、
英語が出来ることはあまり意味を持ちません。
TPPが成立したとしても、地域密着型のサービスに徹する限り、
殆ど影響は無いのだろうと思います。


若いうちは上記のいずれの道も進めるように、
英語はやっておいたほうが良いだろう、
ということは間違いありません。


ちなみに、現状の監査法人では、おおむねこんな感じです。

「国際部では、英語はビジネスレベルが必須」
「そのほかの部署では、あるに越したことがない、という程度」
・・・こんな感じです。

国際部に配属された人全員が、
入社した時点でバイリンガル、というわけでもありませんが、
それなりの覚悟がないと大変みたいですね。


ちなみに僕の英語力は、
入社時点ではTOEICで600点程度でした。

そのあと、英語の勉強をチマチマと続けて、
直近のスコアは800点台後半にはなりましたが、
まだまだ実用的なレベルには遠いと感じています。

ただ、職場で僕が英語を学んでいることが知れ渡ったこともあり、
英語で仕事をすることも少し増えてきました。
しかし、それもメールのやり取りで事足りる程度ですので、
英検2級程度、TOEICでいえば入社当時の英語力で何とかなっています。

「英検2級程度」といえば、
会計士になる人の大半はそれくらいのレベルの英語に
触れたことがあるはずですから、
辞書を引きながらであれば何とでもなる、という範囲のものでしょう。

国際部などでなければ、これでいけるということです。

…逆に言うと、この程度のスキルは
加点要因にはなりにくいということでもあります。



【人生を豊かにする英語として】


会計士や仕事を離れたところでも、
英語が出来るということのメリットは非常に大きいです。

英語の文献は日本語の文献の数倍の量がありますから、
その分、良質な情報に恵まれるということは間違いありません。

英語圏でベストセラーになった物語が日本語訳されて頒布されるまで、
だいたい1~2年程度が必要になるといわれます。
スピードという面でも、英語のほうが断然トクです。

それから、これはこのブログですでに書いたことがありますが、
実は洋書はアマゾンなどで購入すると結構オトクな値段なのです。
日本の書籍のように再販売価格維持制度がないためです。



情報は本だけではありません。

マスコミの情報も質が低下しつつあるといわれますが、
海外メディアの情報を入手できれば、それを補うことが出来ます。

英語のマスコミ、英語の雑誌は
読者数も多く、また競合他社も多いため、
非常に良質の記事が多いと思います。


それ以外にも、
旅行で役に立ったり、
英語のニュアンスが分かるだけでも
映画の楽しみが増えたり、

人生、という大きなスケールで捉えれば、
英語を学ぶことのメリットは計り知れないと思います。







【というわけで、まとめ。】


就職活動間近の受験生にとっては、
就職という短期的な目標には
英語の勉強という長期的な取組はなかなかマッチしないということを
分かっていただきたいと思います。

しかし、就職後の人生をよりよくするために
英語が一役も二役も買ってくれることは、
おそらく間違いないです。

長い目で見たとき、
時間が十分にあるこの時期のうちに、
少しでも英語の基盤を作っておくことは、
とても有意義だと思います。





今後も受験生、就活生のご相談には
出来るだけ応じようと思っていますので
遠慮なくメッセージなどを頂ければと思います。




■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■
ブログランキングに参加しています。
応援クリックいただけるとうれしいです。
にほんブログ村 士業ブログ 公認会計士へ
にほんブログ村


まーやんが原作を務めた漫画のサンプルを
こちらからご覧になれます!


■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■□◇□■