ネパールでインパクトドライバー
ネパールではまだまだ電動工具が普及しておらず、手作業で何でも行うことが多いです。
このことは悪いことではございません。
機械ですることを手作業でするには技術が必要であり、日本では機械化によって廃れてしまった技術が残っているからです。
しかし欠点もあります。例えば、窓のロックの部品を取り付ける場合です。
殆どの場合、マイナスネジが付属しております。
マイナスネジをマイナスドライバーで手で締め付けるところを想像してください。
かなり大変です。それを何百も締められるでしょうか?
きついです。
ではネパールの大工はどうするのか?
そうです。マイナスネジをハンマーで叩いて打ち込むんです。
画像をご覧ください。
これはこれで正確にロックに当てることなくハンマーで打つ技術は必要なんですが、仕上がりはいまいち。
ロックもうまく閉まらなかったり。
皆さんもネパールの家やゲストハウスの窓を開け閉めしてみてください。ロックが機能しないことが多いと思います。
マイナスネジが普及しているのはなぜなのでしょうか。
プラスネジを製造するよりマイナスネジを製造するほうが簡単で安いからだと思います。
最近やっと石膏ボードを使った天井や壁を作る工法が一般化し、石膏ボード作業用のドライウォールスクリューがどこでも手に入るようになっています。
徐々にプラスネジが普及しつつあります。
ロッジのロックも日本から持ってきたマキタと日立のインパクトドライバーでプラスネジで止めています。
大工にインパクトの使い方を教えたら上手に使ってくれています。
これはいいなー。マイナスネジをハンマーで打ち込むより正確だし速い。そして楽だ。
マキタも日立もネパールに代理店があります。特にマキタは何度も通いまして、相当購入しましたが、日本より高いです。しかし安い他の製品より耐久性はあります。
日本の大工さんからの情報です。
いま日本は日立の36vとかマキタの40vが主流ですが、パワーがありすぎて硬い木だと日本のコースレッドもポキポキ折れます。
まぁ調整スイッチはありますが…
おそらくネパールのビスは使えないのではないかと思われます。
14.4vあたりがネパールの建材には良いかもしれません。
おっしゃるとおりです。例えば日本からネパールにこれが最新で最強だーとインパクトを持ってきても、こちらの弱いネジを、ネパールで使われている、かなり硬い木に打ち込むことは難しいわけです。ランクルが最新が一番でないのと同じですね。
自分の国の方法が一番 ではなくそれぞれの国に合った、合理的方法がそれぞれの場所にあるわけです。それらの方法を融合できれば良いものが生まれるはず。
ネパールの大工から教えられることも多いです。日々驚きの連続です。
日本の大工さんにも動画や画像を送って見てもらってますが、このような手作業の技術が残っているのは素晴らしいことであるが、機械化、製品の既製品化によって徐々に廃れていくのは確実と言われております。