「死んで王座に」コ・ヒョンジョン、「カリスマ演技」イ・ビョンホンがベスト


「15年変化なし」リュ・シウォン、「せりふ伝わらない」ユン・ウネはワースト


 今年も数多くのドラマが成功と失敗のはざまを行き来した。その渦中で絶賛され、人生最高の日々を送った俳優もいれば、厳しい演技力批判にさらされ涙した俳優もいる。果たして、専門家の評価はどうだったのだろうか。本紙の大衆文化チームは、韓国の人気ドラマ脚本家・演出家10人を対象に、今年の「ベスト俳優」と「ワースト俳優」、そして「ベストドラマ」を問うアンケートを行った。それぞれの質問に対し、回答者は1位から3位を選び、1位は3点、2位は2点、3位は1点としてその合計で決めた。


ミシルついに王座へ―ベスト俳優




 「ベスト俳優」部門はスター二人の闘いだった。大ヒット放映中のドラマ『アイリス』の情報員キム・ヒョンジュン(イ・ビョンホン)が激しい追い上げを見せたものの、『善徳女王』の野心を燃やす「女傑」ミシル(コ・ヒョンジョン)に追いつくことはできなかった。コ・ヒョンジョンは23点で見事1位、イ・ビョンホンは16点で2位に。コ・ヒョンジョンについては、「特に見るべきところもない悪役になる可能性もあったが、独自の役作りで人物描写に命を吹き込んだ」「演技テクニックもさることながら、リアリティーあふれる豊かな表現力が圧巻」「偽悪的だが熱く、冷たいが純情」など絶賛の声が上がった。イ・ビョンホンについては「目の輝きだけでも台本の穴を埋められる驚異の役者」「計算が感じられる時もあるが、視聴者を引きつけるパワーは圧倒的」と評価された。3位は『善徳女王』のキム・ナムギルと、『華麗なる遺産』のハン・ヒョジュ(以上4点)。ある回答者は「キム・ナムギルはコミカルながら残忍という、複雑な役をしっかり表現した」と話している。


「変わり映えしない」俳優への不満―ワースト俳優


 「ワースト俳優」部門では、『スタイル』のリュ・シウォンが7点で不名誉な1位になった。「まったく同じ演技とヘアスタイルをキープしている。チャレンジも冒険もしない登場人物なのに、なぜいつも腕まくりしているのか分からない」「15年間で一般の好みは急激に変化したが、自分だけの世界にとらわれすぎている」という意見もあった。2位は『お嬢さんをお願い』に出演したユン・ウネ。「ドラマ序盤にせりふを聞いた時は、字幕スーパーが必要だという気がしたほど」「せりふを伝える能力に致命的な欠陥を露呈した」「彼女にはキャンディみたいな(日本の人気漫画『キャンディ・キャンディ』のヒロインのように、不幸に立ち向かう元気な)役だけしか合わないのか」など、厳しい声が寄せられた。5点で3位になったファン・シネは「きちんと年齢を重ねられない悲しい女優」と評された。4点で4位になったクォン・サンウは「トップスターらしい演技を見せられなかった」と批判されている。



『善徳女王』か、『アイリス』か―ベストドラマ

 視聴率40%前後をマークした時代劇『善徳女王』が20点で1位に、韓国ドラマ界にスパイアクションという新ジャンルを定着させた『アイリス』が12点で2位になった。『善徳女王』について、回答者は「歴史歪曲(わいきょく)論争はあったものの、脚本家キム・ヨンヒョンの底力が発揮された」「時代劇の古くささを迅速な展開で吹き飛ばしてしまう通快なドラマだった」と賛辞を送った。『アイリス』は「韓国ドラマも米国ドラマのように作れる、世界でも通じる、ということを再確認させてくれた貴重な作品」「同じ大作でも失敗した『ロビイスト』とは対照的」と好評を博した。「明るく素直なドラマでもヒットする」と証明した『華麗なる遺産』は9点で3位。「勧善懲悪の構図をそのまま踏襲したが、視聴者の気持ちを温めてくれた」「平凡な人々のストーリーが素晴らしかった」といった声が上がった。


「残念賞」は?


 「視聴率は期待に及ばなかったが、完成度が高かった作品」には、5点を得て『ザ・スリングショット~男の物語~』が1位に選ばれた。「きちんとしたストーリー構成が印象的だったが、知名度が低い俳優や、裏番組が『善徳女王』という運の悪さから、視聴率にはつながらなかった」という理由だ。また、『タムナ~Love the Island』(4点)、『美賊イルジメ伝』(3点)なども、専門家が「惜しかった」と評価している。


「大作ドラマ」と「過激ドラマ」の中間は全滅


 2009年のドラマ界の特徴を問うと、回答者は主に「大作ドラマ」と「過激ドラマ」に関し言及した。ある回答者は「『アイリス』や『善徳女王』のヒットで、韓流ブームに再び火が付くのでは。一連の過激ドラマが昨年と同じ成果を上げられなかったということは、『新たなチャレンジをし、真剣に悩め』という制作者に対する警告」と語った。また、別の回答者は「今年は全般的にドラマの両極化現象が甚だしかった。多額の資金を投入し、それがダメだったら次は過激さで勝負。その双方に挟まれたラブストーリー・スポーツ・ロマンチックコメディーなどはほぼ全滅だった」と総括した。


アンケート回答者(ハングル文字順)


脚本家キム・イニョン氏、キム・ジョンチャン・プロデューサー、脚本家ノ・ヒギョン氏、パク・ジョンラン韓国放送作家協会元理事長、ウン・グニルSBS取締役、脚本家ユ・ジョンス氏、脚本家イ・ギウォン氏、イ・ジャンス・プロデューサー、脚本家チェ・ワンギュ氏、脚本家ホン・ジナ氏


チェ・スンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

おっと・・・。こんなところにもサンウさんの名前が・・・。

残念賞に「チング」が入らないとは・・・。専門家はそう見ているってことかしら?