撮影:撮影:Hoon Han

 ドラマ『一枝梅』でイ・ジュンギは、復讐(ふくしゅう)のために生き、義賊となる「一枝梅」と、明るくのんき気ままな「ヨン」を演じた。この“二人”は明と暗。でも情に厚いところは「ギョム」(幼少名)の時から変わらない。複雑な背景、からみ合う人間関係、激しいアクション、とこれまででもっとも苦労したというイ・ジュンギに話を聞いた。

-どうして『一枝梅』という作品を選んだのでしょうか。


 「30歳までに、英雄ものに挑戦してみたいと思っていました。自分のすべてをかけて、できるという自信がありました。『一枝梅』という人物は英雄ではあるけれど、実はその実態が知られていないので、かえっていいと思いました。白紙の状態で、自分が色を付けていけると」


-20代で英雄を演じたかった、という理由は。


 「単純に、20代の自分にしかできないこと、爆発力を見せたかったんです。かっこいい時に、かっこいいものをやりたい。それは今なのではないか、と。それに、一枝梅という役は若い人がやるほうがいいと思ったんです。自分はできる、という自信がありました。運命的というか…実は、MBCからもオファーがあったんです(笑)。でも、こちらの方が予定が早かったこともあって、決めました」


ドラマ:(c)2008 SBS productions Inc., Chorokbaem Media Co. Ltd


-マスク姿での演技は大変だったのでは。


 「目だけで演技するのは大変でした。感情がうまく伝わらないのではないか、と。でも自然体でやればいいと思いました。マスク自体も(着用しての演技が)大変でした。汗で重たくなって、鼻が押されて息苦しくなって、肩で息をするようになって…でも、それは絵的に美しくないので。それに毎日使うものなので、洗えないし、自分のとはいえ、臭いも気になったりしましたね(笑)」


-アクションは好きだとのことですが、時代劇のアクションはどうでしたか。


 「好きは好きなんですが、時代劇は現代劇のアクションと違うんですね。現代劇だと、ボクシングとか格闘技をやっておけば、単純にかっこがつくんですが、時代劇は、トレーニングが必要です。剣とか弓とか、アクロバットとか。その所作だけでも絵になるんで、見せるという意味では時代劇が大変です」


-今回のトレーニングはどのくらいやりましたか。


 「普段から体を鍛えているわけではないのですが、いつも2、3カ月前からトレーニングをします。休んでいる間になまった体を作り直すんです」


-アクションでの苦労はありましたか。


 「今回は、スタントなしでやりました。本当に飛び降りたら大けがしそう、っていう時以外は(笑)。自分ができるのに、スタントの人がやるとなんだか悔しくて夜も眠れないんです。それに(顔を映せないので)編集上もうまくつながらないとか、納得がいかないものになるのも心残りになりますから」


撮影:撮影:Hoon Han


東京=野崎友子通信員

朝鮮日報日本語版

イ・ジュンギ「自分をマインドコントロールする」


撮影:Hoon Han

-今回、共演者の方々との息は合いましたか。

 「俳優同士の呼吸を合わせる、ということは、お互いがお互いを配慮できるか、だと思うんです。今回は、尊敬できる先輩が多かったんですが、カメラが回ると先輩後輩ではなく、同じ立場の俳優。その気持ちで取り組みました。カメラの外では、一緒に飲みに行ったりして、そういう場で自分をできるだけ見せて、そして相手にわかってもらう、共感してもらう。そんなふうにして、皆さんと親しくさせてもらいました」


-終盤では、体調が悪くなりましたか? 声もつらそうな時がありましたが。


 「自分は比較的体調管理には気を付けている方なんですが、17、18話でへんとう炎になって、熱射病にもかかってしまいました。感情シーンもアクションシーンも多いという時に…実は、点滴を受けながら撮影をしていました。本当に、体にはきつい仕事でした。今度はもっと楽な役をやりたいですね(笑)」


-このドラマの時代に生きていたら、「一枝梅」のようになれますか。


 「自分なら、ヨンのように暮らすと思います。一枝梅みたいにはできない。彼はえらいですよ。自分は英雄にはなれません(笑)」



-自分がほかの俳優さんにこれだけは負けない、ということはありますか。


 「正直なところ、人より優れているとは思いません。でも、マインドコントロールというか、自己暗示が必要なんです。自分は人よりうまいと思わないと、負けてしまう。いい演技は出来ません。そう思わないと、思えないと、夜も眠れなくなります」


 これまで、イ・ジュンギの時代劇といえば『王の男』のイメージが強かった。誰もが知るイ・ジュンギをスターダムにのし上げた作品だ。『一枝梅』で、イ・ジュンギはコンギルを払拭できたのだろうか。この作品でコンギルを超えたと思うか、という質問に「難しい。比べることができるものではなく、超えるとか、そういう風に表現したくない」と答えた。


 イ・ジュンギは、いつもその時の「自分の爆発的な力」を発揮するために、いろいろな仕事に挑んできた。「自分には何ができるのかわからないが、とにかく努力し、最高のものを見せる」という。その姿勢、自分に課す「自信」こそが、イ・ジュンギを1作ごとに着実に引き上げているのだと感じた。


 イ・ジュンギが美しき義賊“一枝梅”を演じ、2008年度上半期の一番のヒット作となったフュージョン時代劇『一枝梅』(http://www.so-net.ne.jp/adtv/irujime/ )は、11月25日よりCS放送チャンネル「アジアドラマチックTV★So-net」で日本初放送される。共演は、パク・シフ(『完璧なお隣さんに出会う方法』)、ハン・ヒョジュ(『春のワルツ』)、イ・ヨンア(『黄金新婦』)。


ドラマ:(c)2008 SBS productions Inc., Chorokbaem Media Co. Ltd


東京=野崎友子通信員

朝鮮日報日本語版


今、イルジメ観ていますがやっぱりジュンギ君かっこよいですラブラブ美しいけど華奢じゃないのよね・・・。