おはようございます。
発行者の月読です。
今回は『大失敗は神様のもと』って御話しです。
以前、月読には一つの大きな疑問が有りました。
それは日本の国生み神話に出て来る『イザナギノミコト』と『イザナミノミコト』の夫婦神ですが、その神話によりますと、この二柱の神様は色々な不幸が重なり、とても不仲になりまして、この世とあの世に別れて暮らすコトになりました。
現代で言うところの離婚状態になったのです。
ところが、この二柱の神様を祀った神社が日本の各地に御座いまして『縁結び』や『恋愛成就』や『夫婦和合』の御利益が有るとして祀られているのです。
これ、おかしいと思いませんか?
だって日本で初めて離婚をしたような仲の悪い神様たちなんですよ。
離婚や縁切りの御利益の神様ならともかく、縁結びや恋愛成就や夫婦和合の御利益なんて有り得ない…と思っていたのです。
このコトが腑(ふ)に落ちずにモヤモヤしていたのですが、ある時、他の神様も自分の失敗した分野で、その分野の守護神になっている例がたくさん有るのに気づきました。
一例をあげますと長野県の諏訪大社に祀られている『タケミナカタノミコト』です。
この神様は国ゆずりの神話の中で高天原からやってきた天の神様の使いに「この国を天の神様(天津神)にゆずるように」と言われて最後まで抵抗した日本で生まれた地の神様(国津神)です。
天の神様の使いと勝負して負けて現在の長野県の諏訪大社の在る土地まで逃げて、この土地から出ないという約束をして、命までは取られなかった神様です。
つまり闘いに負けて逃げて引きこもった神様なのです。
ところが現在では闘いや勝負運の神様として祀られております。
これも何だか不思議ですよね?
じつはこの神様、負けっぱなしでは無かったのです。
とても悔(くや)しい経験をしたあとに、人間には思いもつかないような永い時間、とてつもない努力を重ねて自分の弱点である弱さを完全に克服して、ついには神々の中でも最強の戦闘力を手に入れたのです。
つまりこのタケミナカタノミコトは失敗も、それを克服する努力も、その努力が実を結んだ結果も全て自分で体験しているのです。
なので弱い者の気持ちも、努力する人の気持ちも、その努力の行き着く先も全てご存知なのです。
なので闘いと勝負運の神様として祀られているのです。
最初に紹介した離婚した神様、イザナギノミコトとイザナミノミコトも一度仲たがいしましたが、それから本当に永い時間をかけて、その仲を修復し、神々の中でも一番の理想的な夫婦神になったのです。
なので、その御利益は縁結びや恋愛成就や夫婦和合となっているのです。
じつはこれ、人間にも言えるコトでして何かで失敗したあとに、それを努力や工夫で克服してやると、その道の第一人者になれる可能性が『大』なのです。
その失敗は大きければ大きいほど良いのです。
完全に打ちのめされて、そこから「なにくそ!」と再起すると、普通ではたどり着けないような『高み』に到達出来る可能性が出て来るのです。
その道で『神様』と呼ばれるようになるのも夢では有りません。
なので『失敗は成功のもと』ですが『大失敗は神様のもと』と言えるのです。
もちろん負けっぱなしではダメなんですけどね…(^_^;)