世界疼痛学会(IASP)による痛みの定義

「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、あるいはそれに似た、感覚かつ情動の不快な体験」

あとはこれに附則があって、そちらも非常に重要なのですが、先ずは定義の方です。

本来は勝手に注釈を加えることは定義の私物化に繋がる恐れもあり好ましくないと思いますが、【読み解いていく】の雰囲気を伝えたいので

何故「痛い事をするな」と言っているかについて述べることで理解の助けとなればと思い、あくまでも【個人的意見】として掲載します。

・施術やレッスンで痛いことをやっちゃいけない理由

それは
「感覚かつ情動の不快な体験」とあるからです。

情動というのは感情的に体験して、それに伴って身体にも何かしらの反応が起きている事を意味しています。(情動の例  感動して思わず涙が出た、痛くて脂汗が出た、緊張して力が入った など )

という事は、もし貴方が痛いと感じた時には既に「自分にとって好ましくない不快なもの」と認識したということです。

たとえ後から頭で考えて注釈を加えて捻じ曲げたとしても、貴方の脳は既に不快なものだと認識しているのです。

だから痛い事をやっちゃいけないのです。

痛みを伴うストレッチやマッサージなどは、それを受けている人がそれを「不快、私に好ましくない」と言っているのです。

また、筋肉が硬いから痛い  と思いがちですが、痛いから情動として硬い  という可能性もある事を考えないといけません。むしろ実際に施術などをしていて後者の方が多い印象です。

もちろん、その個人にとっての適切さの許容範囲内であれば痛みがあっても引きますが、一度は警戒した事も考慮すべきです。⁡
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⁡またその許容範囲はその個人の中で、その時の状況などにより決まることなので施術者や指導者が勝手に判断するべきものではありません。

だからやっぱり最低限「痛いことはするな」なんです。

また付け加えると、良いもののイメージがある「痛気持ちいい」も言い換えると「気持ち悪い気持ちいい」という訳の分からないものです。

そして実際に痛気持ちいいストレッチを楽しんで、その後に激痛に襲われるケースも決して少なくない事を知っておくべきでしょう。

定義は「定義」なのです。
少なくとも身体に関わる仕事をしているならば定義は外しちゃダメな所です。何故なら定義だから。


ではまた。