みなさんこんにちは、明るく楽しい横浜市「福田音楽教室」のピアノ講師・音楽療法士の福田りえです。

昨日(9/19)1週間の旅を経て、やっと横浜へ帰って来ましたので、やっとブログにまとめられましたので、どうぞお付き合いくださいませ。


第18回 日本音楽療法学会 学術大会


9月13日、羽田空港から一路高松へ向かいました。

9月14日(金)〜16日(日)に香川県高松市にあるサンポート高松で行われた「第18回 日本音楽療法学会 学術大会」に参加してきました。


今回は9月15日に事例研究の口演発表もあり、ワクワクだけでなく、ドキドキな時間も過ごしました。



第18回 大会テーマ


個が奏でるハーモニー
〜対象者を見つめる音楽療法士の姿勢〜

私自身もクライアントである対象者(生徒)さんに向けどのように接し、その方の最大のパフォーマンスをどう引き出し、そしてどう引き上げていくかを考え学びを深めた3日間でした。

3日間の大会プログラムは、1日目講習会。

そして2〜3日目は、学術大会となっています。



講習会


1日目は講習会が90分×4講座、朝10:30〜夕方18:10まで行われます。

ここ何年かで「高齢者・児童・成人・ワークショップ・その他」という5つの領域にカテゴリ分けされ、講義する側も改良され、受講する側も自分の領域を意識して学べる態勢になってきました。



講習会:第1講 ワークショップ


講師:北條 郁美先生
主題:リトミックはなぜ動くのか〜ダルクローズの論文集から〜

所感:朝イチでカラダを目覚めさせようと、ワークショップを選択。

「リトミックはなぜ動くのか」を、身体と音と動きで実践的に学ぶ時間となりました。


100人くらいの参加者でまず自分の呼吸を感じることからスタート。


二人になって相手の呼吸や手を合わせて音に合わせて押したり引いたりとチカラを感じ流ワーク。


そして物(テニスボール)を使って音と動きを合わせたり、全員で輪になったりと、小さな動きからダイナミックな動きへ発展。


ダルクローズ先生の論文を、音と身体で感じながら読み解く時間となりました。


ノンバーバルな音で動くことは、言葉による指示で動くより、自然な動きを誘発させるのだと改めて言葉を控えなくてはと感じました。






講習会:第2講 成人


講師:久保田 牧子先生
主題:主体性を活かす 音楽・音楽療法の構造〜得意な表現による音楽創造〜

所感:精神病棟で成人の方を対象として臨床されている久保田先生のお話し。

精神障害の構造と治療について基本的なことを聞いた後、集団療法として即興演奏やソングクリエーティング(歌詞作り)、そしてサウンドブロック(通称:音積み木)を使った具体的な音楽療法の取り組みも、見せていただきました。


私は初心者からベテランの療法士の目線を配慮し、現場のことを論理的にお話しくださる、久保田先生の講義が個人的にとても好きなのです。


機会がありましたら、ぜひ久保田先生のご講義をお聞きになってくださいね。





講習会:第3講 児童


講師:遠山 文吉先生
主題:対象者を見つめる音楽療法士の姿勢〜子どもたちとの心の響き合いを求めて〜

所感:ひと言でいうと、「対象者への愛ある実践例」でしょうか。


遠山先生が過去に音楽療法をされた対象者知的障害や重度重複のある児童など、6人の事例を、心と音の響き合いも含めて、細かくその時の態勢や取り組みを、絵や動画などで見せて頂きながら音楽療法に必要なスキルと姿勢を学ばせて頂きました。


基礎的なことですが、例えば「推測しながら寄り添うこと」や、「間を保って待つこと」について。


間合い・距離・タイミングは対象者によっては、見誤るとパニックを引き起こし取り返しのつかないことになることもあります。


優しい眼差しと口調で、自然体な講義に心惹かれました。






講習会:第4講 ワークショップ


講師:冨川 政嗣先生
主題:リズム療法の可能性

所感:リズムは「アフリカ」から来た・・・まずリズムのルーツからお話しが始まりました。


ラテン音楽の基礎、キューバの「ソン」から「マンボ」「チャチャチャ」へという流れと、ブラジル音楽の流れの違いについて。


一番参考になったのは、「Call and Response(呼びかけに対して答え、反応すること。)」についての考え方と実践をしましたが、「やり取り」において基礎でありとても大切な事ですね。


冨川 政嗣先生ってこんな演奏をされる方。





学術大会 2日目



午前中には、開会式や挨拶、そして湯川れい子さんの日野原重明先生の追悼の意を込めたメモリアルトーク、岩崎 淑先生の記念講演「楽興の瞬間(とき)」など。


その後、それぞれに自主シンポジウムや口演発表が各部屋で設定されて、粛々と行われていきました。



口演発表


自閉スペクトラム症Aの音楽的コミュニケーションから作曲活動につながった事例〜第4報 ピアノレッスンの枠組みを用いて〜


私の事例研究も、上記のテーマにて口演発表させて頂きました。




会場は立ち見も出て、びっくり!熱心に聞いてくださり、本当にありがとうございました。



学術大会 3日目


朝から大会長である佃昌道先生の「音楽で地域を元気に」、そして脳科学者の茂木健一郎さんの「音楽と脳」というテーマで講演されました。


音楽と脳


脳科学者:茂木 健一郎さん

「音楽と脳」講演を聞いて、音や音楽の蓄積がいかに大切であるかに気付かされました。


毎日、音楽を教えたり演奏する毎日ですが、ただ闇雲に蓄積するだけではダメなのか〜!と・・・知れば知るほど納得する。


というのも、「自分の好きな音楽が多いほど脳に身体に良い!」ということの脳科学的メカニズムを知れたからなのです。


好きな音楽というのは、何か脳から引き出す時にトリガーとなる。


ですから、例えば好きな音楽が流れてくると・・・失語症の方の好きな曲が流れて来たら歌を歌うことができたり。


認知症予防には、好きな曲を増やしておくと、脳が快状態になり様々な運動機能にも良い・・・など。


茂木さんのお話しは一見、例え話がドンドン出て来て錯綜するのですが、いやはや最後はそうオチが付くのかと本当に心から感動しました。



学術大会から感じたこと


今回は音楽療法士として9年間関わってきた、「T君のピアノレッスンでの取り組み」を口演発表をさせて頂きました。


自分の研究対象「児童」の領域から、「成人」になっていく時に、必要な思春期の対応や、将来の職を決める就労など、様々な問題や解決すべき点があります。


日々変わりゆく法改正などの情報、生徒さん一人ひとりにもっと寄添い、そのご家族から学び勉強して行かなければならないと気を引き締めています。


今週は福井「松木屋ミュージックファクトリー」さんで講座させて頂きましたが、来週は静岡掛川にて兵藤楽器店 「袋井ミュージックセンター」さんでも開催予定です。


ぜひ、様々なピアノレッスンでのお困りごとを解消しに、講座へ足をお運び頂ければ幸いです。


セミナー情報はこちらから、
【日程更新】ムジカノーヴァ ピアノの先生応援セミナー「障がいを持つ子どもへのピアノレッスン」


最後までお読み頂きありがとうございます!

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FUKUON 福田音楽教室☆福田りえ

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