不思議な村の入口に
二人の門番さんが 立っています
もう長いことずっと 立っているけれど
もう長いことずっと 誰も通らない
毎日空を見上げては 二人でおしゃべりしています
「 今年の梅雨は変だね 」
「 今に始まったことでもないさ 」
「 二酸化炭素の濃度も増えている 」
「 確かに 」
「 今まで目に見えなかった変化が
これからは はっきりと見えるようになるだろうね 」
「 誰かが得をして
誰かがつらい思いをする 」
「 人間は大切なものを忘れてしまったからね 」
「 切ないね 」
「 宇宙へ帰りたいかい? 」
「 いや ちっとも帰りたいとは思わないよ
それより 梅雨が開けたら 星祭があるね 」
「 多分あるだろうね 」
「 村人たち 今年も飾ってくれるだろうか 」
「 僕達のこと 忘れていなかったらね 」
「 …… 」
不思議な村の門番さん
毎日空を見上げては 二人でおしゃべりしています