数日前の話。その日は、午後から曇り一時雨、夕方には本降りに

なると言う天気予報でした。午前中、少し遠いスーパーまで

ウオーキングを兼ねた買い物に行ったところ、その帰り、予報

よりも早い時間に雨が降り始めました。帽子は被っていましたが、

傘は持っておらず、急いで帰ることに・・。

 

小さな交差点に差し掛かった時、30mほど向こう側に男性が見えた、

その瞬間、男性は前方に大転倒。雨で滑ったのかなあ、ご高齢の

ようだけど大丈夫かなあ、と思って見ていたら、四つ這いから

なかなか立ち上がれない。やっと立ち上がった時、顔面は血だらけ

で、ふらついて、また転倒。

 

小さい子供さん連れの若い女性と私とが、その高齢男性に駆け

寄り、「大丈夫ですか?」と声をかけました。すると男性「家は

すぐそこ、帰れる」と、また立ち上がろうとして、今度は尻餅。

女性は私とは違う方向から、その男性がフラフラ歩く姿を見ていて、

昼間から酔っ払っているのかな、と思っていたそうです。

 

この場合、通報は110か119か・・。「酔っ払っているのなら110

ですよね」と若い女性と喋っていると、鼻や口からの出血がどんどん

ひどくなり・・血液サラサラのお薬を飲んでたり、歯が折れたり

しているのか?・・それでも高齢男性は「家はその角、帰れる」と

言われるばかり。・・119通報しました。

 

スマホで119番を押すと、画面に「あなたの居る場所を通信先に

教えても良いか?」と言うようなメッセージが表示されたので、

「はい」をタップ。すぐに「A市消防、火事ですか救急ですか」と。

「救急です(以下略)」と状況を簡単に説明したところ、消防署の

方から予想外の反応・・。

 

「アナタが今いらっしゃるところはB市なので、B市消防にお繋ぎ

します。後はそちらでお願いします」だと・・。自分がA市とB市の

境目の近くに居ることは分かっていましたが、A市の消防署の方が

近いし、現に電話も繋がっているのに・・ハテ?で、その後、B市

消防と話をし、そちらからの救急車が来るのを待つことになりました。

 

若い女性が傘を取り出し、高齢男性に差しかけてあげました。男性は

相変わらず「帰れる」と、何度も立ち上がろうとする。すると、

ジョギング中の外国人男性が「ケガニン?」と近づいてきて、男性が

座ったままあまり動かないよう背後をガードしてくれました。また別な

通りがかりの少し年配の女性は「角の家」まで、ご家族を探しに・・。

 

そうこうしていると数分後、A市側から救急車の接近してくる音が

聞こえてきました。え?ここに来てくれるの?B市からじゃなくて?

と思っていたら、少し年配の女性が「角の家」から、かなり腰の

曲がった女性と一緒に、こちらに戻って来られるのが見えました。

そのタイミングで、A市の救急車到着。

 

高齢男性は救急隊員に名前や年齢を聞かれても答えられず、「家に

帰る」と言うばかり・・気は動転していたのでしょうが、相当頑固な

のか、認知症の傾向があるのか・・、会話が嚙み合わないので、若い

女性と私が救急隊員に応対。していたら、先ほど「角の家」から出て

こられた腰の曲がった高齢女性が到着。・・奥さんでした。

 

と言う、ウオーキングからの一転、雨中の緊急対応。私を含めた通り

すがりの4人は誰からともなく「お疲れ様」「やれやれですね」「結構、

濡れちゃいましたね」と言葉をかけあい、解散。転倒して、意識不明、

心肺停止とかいうのでは無く、それは幸いでしたが、A市消防とB市

消防のたらい回しは謎・・(結果オーライで良しとする?)。

 

あのオジイサン、その後いかがお過ごしでしょうか?