自宅で使うため、5~6年前に14,000,000ドン(約85,000円)で買ったWindowsパソコンが壊れた
半年ほど前から画面がチカチカし出し、ここ数カ月間はキーボードの調子もすこぶる悪かった
それでも、ついこないだまでは(iPad用に買った)Magic KeyboardをBluetoothでつなげて使っていた
しかし、数日前からついに電源すら入らなくなってしまった
職場で「何だか修理して使い続ける気も失せてきた」とボヤいたら、総務部副主任がこういった
「だったらMacBookを買ったらいいじゃないですか。どうせもうすぐ死ぬんですから」
「えっ? ”死ぬ”ってなにが」
「コーです」(*コーは「あなた」という意味。自分の母親より少し年下の女性に対して使う)
「わたし??」
「はい、そうです。だってコーはすごく歳をとっていますから」
なるほど、ベトナムの平均寿命(だいたい74歳)だからそう思われても仕方がない
「コーはお金持ちですから、ぜひMacBookを買ってください」と総務部副主任
(「お金持ち」かどうかは別として)なるほど、その手があったか
確かに我が家にはiPadが3台もあるのに、Macbookは買ったことがない(3台のうちの一台をMacBookにしようという発想は生まれなかったのか)
理由の一つは、MacBookはクリエイティブ系の仕事をする人が使うものという先入観あったからだと思う
実際、うちの会社でもMacBookを使ってるのはソフト開発者たちだけ
しかも、ベトナムでパソコンを買うと必然的にキーボードはUS式になってしまう
でも、出不精で友達も少なく、趣味もないわたしは(高い家賃を払う以外)金を使わない
つまり、給料として毎月もらうベトナムドンは貯まる一方
「総務部副主任が言う通り、安い機種ならお試しで使ってみてもいいかも知れない」
それで今日、勢いに乗って、たまたま仕事が休みだったハウスメイトのプーちゃんとMacBookを買いに行った
店に入るなり、目が合った店員にMacBook Air13インチM1の写真を見せて「これのシルバーが欲しいんですけど」と伝えると、彼女は「在庫はありますが、ディスプレイ品はありませんので、商品を試すことはできません。それでも、よろしいですか?」と聞いてきた
わたしは「試さなくても大丈夫です。もう”買う”って決めてるんで」と答えた
余談だがこういう時、人見知りのプーちゃんは全く役に立たない
一緒に来てはくれるが、(よほどのことがない限り)いつもわたしの後ろに隠れてモジモジしている
結局、店員とのやりとりは全部わたしが自分でやることになる
「MacBookをお買い上げのお客様にはFPTショップが提供する長期修理保証にご加入いただくようお勧めしています」と店員
「それっていくらかかるんですか?」と聞くと、1年間で1,200,000VND(約7,000円)だという
つまり、もともとMacbookについている1年の保証にプラスして、2年目からはFTPショップの1年保証が付くので、合計2年間の保証付きということになる
「でも、わたし、あと2年もベトナムにいるかなあ。途中で永久帰国しちゃったら2年目の保証は日本では使えないよね?」というと、店員は「えっ、コーはベトナム人じゃないんですか?」と驚いた様子
ベトナム語に不自然な点はあるものの、それはわたしが中部の田舎から出てきたせいだと思ったらしい(確かにわたしのまったりとした声調は中部っぽいと言われることがある)
さて、パソコン代18,490,000ドン(約113,000円)とFTPショップの1年保証代を銀行アプリで支払い、無事商品をゲット
今までApple製品はいろいろ買い揃えたが、今回MacBookを加えることで、わたしも一応 Fan cuồng táo (アップル信者)となる(※táoはベトナム語で「りんご」という意味)
(初めてのMacBookということで)初期設定は、技術専門の男性店員が手伝ってくれた
まるで何かの神聖な儀式を執り行うかの如く、慎重にゆっくり保護シートを剥がして行く
しかし彼の手はホコリだらけで、新品のMacBookに指紋をつけまくっているのだが、そこは気にならない様子
個人的に、ベトナム人はこの辺のデリカシーが思いっきり欠如している輩が多いと思う
さて、一通りのセットアップが終わったMacBookを、大事に抱えて家に帰ったわたし
使ってみた感想を一言でまとめると、さすがMac
日本語、英語、ベトナム語の切り替えがものすごく簡単で、USキーボードであることを忘れてしまうほど
初心者用の安い機種とはいえ大満足
そこで、結論
これからは、もっと自分のために財布の紐を緩めることにする
だって、わたしは「もうすぐ死ぬんだし」