『 propose 7(拘束)』
頭の片隅にいつもあったのは
もしかしたら彼にプロポーズされることはないのかもしれない、ということ
今までに何度か、それっぽいことを言ってもらえただけでも信じられない気持ちだったし
口下手で照れ屋の彼にこれ以上、言葉を求めるのは酷だと分かっていたから
なのに
途中、わたしの早とちりで大騒動になってしまったけど
両親の前で、しかもわたしの誕生日に
『俺と結婚してくれ』
あんなにちゃんとしたプロポーズをしてくれるなんて
まるで夢でも見ているんじゃないかと思うくらい嬉しかった
しかも
この幸せな夢には続きがあって
彼の部屋に戻り、お風呂に入ってほっとひと息ついたところで
「手、出して」
左手の薬指に指輪をはめてもらい、また泣きそうになってしまった
ずっと忙しかったのに、いつの間に用意してくれたんだろう
「綺麗…ありがとう」
そうだ、今なら
もしかしたら答えてくれるかもしれない
「わたしのこといつから好きだったの?」
ずっと疑問に思っていたことを、どさくさに紛れて聞いてみたけど
「教えねぇ」
優しいキスで唇を塞がれて、お布団の上に押し倒された
「ちょっ、ちょっと待って…教えてくれるまでダメ!」
まだ心の準備が出来ていないわたしの抵抗も虚しく
「いいかげんにしろ」
彼は体重をかけてわたしの上に覆い被さると、息が出来ないくらい深く唇を重ねながら大きな手をパジャマの中へと差し入れてきた
「んっ!」
さすがに、もう逃げられないと分かっているのに
たくましい胸を押し返そうとしている往生際の悪い両手を、自分ではどうすることも出来なかった
continue(次回に続きます)↓