『share 2』
「相変わらずね、ごちそうさま」
「えっと…べつに惚気てるわけじゃなくって、真剣に相談してるんだけど」
先週の日曜日
中学時代からの親友と街でランチを食べながら話していたのは
「彼の誕生日プレゼント、何にしたらいいと思う?」
「それ、私に聞かれても」
中学の時は同級生だった親友は当然、2年遅れで高校3年生をやってるわたしや彼とは違って大学生だったりするわけで
「おしゃれで大人な女子大生のアドバイスが欲しいなぁって思って」
「なに言ってるのよ、同い年のくせに。だいたいさ、こんなに可愛い彼女がいるだけでめちゃくちゃ幸せなんだからプレゼントなんていらないわよ」
そう言ってウィンクした親友のお世辞を鵜呑みになんて出来ないし
彼の言っていた通り、授業のある平日だと凝ったお料理やケーキを作るような時間はないよね
かと言って
高価なプレゼントを買ってあげられる予算もないし、手作りの物は何度かあげてるから変わり映えしない気がして
うーん、ほんとにどうしよう
「おまえさ」
突然、声がして我に返ると
「えっ?」
「えっ…じゃねぇよ、頼むから大きな声で考え事するのやめてくれないか」
真っ赤な顔をした彼が口元を手で押さえてうつむいている
ああっ、しまった!
お昼休みに中庭でお弁当を食べてる最中だった
「よ、読まないでってば」
「目の前でそんなに長い時間考えこまれたら、読もうとしなくても聞こえてくるって何度言ったらわかるんだよ」
「そんなこと言われても」
彼の誕生日プレゼントで悩んでいるのを本人に知られるなんて恥ずかし過ぎる
「わかったよ」
大きなため息をつきながら、彼がわたしの頭に手を乗せてつぶやいた
「わかったって、何が?」
「俺の誕生日プレゼントで悩んでるんだろ?」
「う、うん」
もしかして何が欲しいか教えてくれるの?
「そういうこと」
軽く咳払いをした彼がいつになく真剣な表情でわたしを見つめたのでドキリとした
「な、なにがいいの?」
お誕生日までに用意できる物ならいいんだけど
「おまえがいい」
「!?」
聞き間違い、だよね?
「ごめんなさい、もう一度言って?」
「だから、おまえがいいって言ってるんだ」
えっ…???
continue(次回に続きます)↓