※今回は愛良ちゃん目線のお話になっています。



               『secret halloween 5』



あたしがハロウィーンパーティーから帰って来ると

なんでか知らないけど玄関の外におとうさんが立っていた

「ただいま、どうしてこんなとこにいるの?」

「さっきの…」

こんなに困ったような表情のおとうさんは初めて見る

「さっきのって?」

「さっき寝室で見たことはお母さんには内緒にしてくれ」

へ?

「おかあさんを見たことをおかあさんに内緒にするの?」

意味が分からないんだけど

「だから…お母さんだけどお母さんじゃないんだ、さっきのは」

ぜんっぜん理解出来ないけど、おとうさんの様子がいつもと違うってことだけはわかる

しかたない

「いいけど、口止め料が欲しいなぁ」

「ったく、いくらだよ?」

「お小遣いはさっきおじいちゃんに貰ったから、お金じゃなくて」

「なんだ?」

「質問に答えて欲しいの!おかあさんの髪、ロングとショートどっちが好き?」

「親をからかうんじゃない、そもそも髪型なんてべつに何だって構わない」

外灯に照らさたおとうさんの顔は真っ赤になっている

やっぱり今日のおとうさんは何かがおかしい

「ふうん、ほんとに?」

「しつこいぞ」 

素直じゃないんだから

「おかあさんは鈍いところがあるから…口で言ってあげないと分からないことがいっぱいあるよ」

呆気に取られているおとうさんを押しのけて家の中に入ると

「ねぇ、お父さんどこに行ったか知らない?」

珍しく怒ったような顔をしたおかあさんがいて

その後

寝室にティーカップが二つ置きっぱなしになっていた理由について問い詰められていたおとうさんは

何だか少し可哀相だった




continue(次回に続きます)↓