『blood 3』
地下室にある魔界への扉を開け、強引に腕を掴んで連れ出した彼女と歩き出してからも俺の怒りは収まらなかった
いつまでたっても彼女のことを分かってやれていない俺自身に対しての
「ちょっと、待って」
今だってそうだ
必死で俺のスピードに合わせて歩いていた彼女が苦しそうに息を切らして立ち止まった
「悪い、大丈夫か?」
「…うん」
膝に手をつき真っ青な顔で荒い息をしているのに大丈夫な訳がない
「じっとしてろよ」
細い体をそっと抱き上げるとそのあまりの冷たさに驚いた
「ごめん、気づいてやれなくて」
抱きしめる腕に力を込めてそう言うと彼女はほっとしたようにポロポロと涙を零した
「わたしの方こそごめんなさ…」
再び謝ろうとした彼女の唇を口づけで塞ぎ、魔女の住む家へとテレポートした
continue(次回に続きます)↓
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