ホイッスルが鳴り響く

「ピーーーッ」

勝利が確定した瞬間

喜びを噛み締める暇もなく

私たちは、颯爽とコートを去り

気持ちは次を見つめている。



私たちは、

学校、そして学校の人々、OG達

家族、親族

そして、私たち自身が

「1番になること」を求め、求められている。




ーはじまりー


強豪校に入学することを決めたのは、

両親の勧めから、最終的には私が決めた。

あの時の私には、全く想像ができなかった。

この場所がこんなにも

多くの選手の、心の渦が広がっている、

心苦しい世界であることを。


私たちの輝かしい功績の裏には、

私たちにしか理解できない

苦悩、喪失感、承認欲求、プライド

劣等感、重圧、重責など、

過去の栄光に縛られる毎日を送っていた。


弱気になった時、

何度も自分を痛めつけては目を背け

とりあえず、足だけ動かし、

前へ、前へと、必死に歩み出す。


「私の選んだ道は間違っていたのだろうか」


to be continued