トレヴィの泉まで歩いて行って、ホステルDowntownに帰ってきたのは、10時少し前だった。


同部屋の人たちは、まだほとんど寝ていた。


その中で、少し前に起きたアルゼンチン出身の青年が、尋ねてきた。


『今日日本に帰るんだよね?』


昨日、少し話したので覚えていてくれたみたい。


『飛行機は何時の?』


『12時半のだよ』と、私。


『えっ、大丈夫か。今、10時だよ』と、彼。


私『大丈夫、大丈夫』


彼『あっ…、そうか、そうか』


『じゃあ、またどこかで。いい旅を』と、言って、私は部屋を出た。


駅は近いし、乗り場もわかる。


ただ、切符を買っていなかった。


乗り場近くの自販機で買おうと思ったら、壊れていて、戻ることに。


乗り場のホームは、テルミニ駅の一番遠いところにあるんです。


切符売り場に着いて愕然とした。


めっちゃ混んでるー!


その時、思い出しました。切符はなるべく前日入手しておくことを。


切符売り場は全く動く気配なし…。


自販機もかなり並んでいる…。空いていると思ったら、壊れている…。


しょうがなく、駅構内にある旅行会社に行って買った。手数料1ユーロ。


既にかなり時間がかかっていた。


列車の出発時間は10時52分だった。

一瞬、ローマに着いた時みたいに、遅れたらと思ったけど、その時はどうにかなるだろうと、すぐ思い直す。


幸い(?)、列車は定刻に空港駅に到着した。


ここから、航空会社カウンターまで走った。


お土産が多かったので、荷物の重量は30Kgはあったね。鎧を身に着けて走っているみたいに、重い。


カウンターに着いたら、片付け始めていて、『乗るの?』って聞いてきた。


『乗る!』


『搭乗券はこれ、ラウンジ券はもう時間がないので出ません。すぐ、ゲートに向かってください。』


たいしたラウンジじゃないけど、ビールを飲み損ねたと思った。


ゲートはGで、少し離れたところにあります。何人かわからない人たちがいました。


どこにも寄らず向かっても、既に搭乗が始まっていた。


いや~、あぶねぇぃ。もうちょっとで乗り遅れるとこだった。


とりあえず、機内では、飲み損ねたビールを飲み続けた。




マルタ&ローマ


終わり。