プロとしてのプライド・・・
2つの話をしたいと思います。
まず1つは、一昨日の中部プロリーグ。中部Bリーグは最終節でした。中部Aリーグ昇級2名を争う熱い戦いが繰り広げられていました。
観戦した卓はこの卓。
青山大プロ(左) 佐藤あいりプロ(右)
長谷川弘プロ(奥) 金平裕樹プロ(手前)

結果は長谷川プロが7位からのごぼう抜きで昇級を決めました。あとの三者は残念ながら昇級ならず。
青山大プロは次点で残念でしたが、選手兼運営責任者として対局の間に確認作業で目を光らせて縦横無尽に会場内を走り回っていた。自分の事だけを考えたい最終節でも、運営分担している選手に指示したり、遅い卓に時間配分の指摘をしていたし、負けた対局終了後もすぐに毅然として運営に切り替えていた。青山プロが長年運営を安心して任されているのは、こういった自己犠牲を払える強い責任感があるからだと思っています。
金平裕樹プロは、流局した親の大三元が決まれば、安目でも親倍が決まれば、勝負手のツモが利けば、色々なタラレバがあったに違いない。でも、表情や所作を一切崩すことなく、最後まで自分の麻雀を丁寧に行うことに徹していた。マスターズ三重予選で通過1枠を勝ち獲った強さは技術の高さだけでなく、こういった不運にも一切動じないメンタルの強さも含まれているのだと感じました。
そして、佐藤あいりプロ。最終戦南一局は、佐藤プロ親番で、青山プロに7700を振り込み親落ちし、ほぼ終戦という瞬間であった。第4節終了時は首位だった。こんなに辛いことはないと思う。私ならどうなるだろうか。あなたならどうなりますか?佐藤プロは、青山プロの点数申告に対して、大きい返事で「はい。」と言って、両手で丁寧に支払っていました。脱力感から後ろにもたれ掛かってもおかしくない姿勢も綺麗に保たれていた。顔は無理してほんのり笑顔を作っていたかもしれない。でも、そこにプロとしてのプライドがあるんだと思う。観戦者がいた。そして対局者もいる。自暴自棄やふてくされてもおかしくない状況でも、いつもと変わらず、ゲストでアマチュアと接しているような所作やマナーで麻雀に対局者に観戦者に誠実であった。
この日の中部プロリーグを観戦した感想。
服装の身だしなみも大事
所作の身だしなみも大事
心の身だしなみも大事
どんな状況であれ、きちんとできるプロはきちんとしたプライドを持っていると感じました。こういうプロはまた観てみたいと思うし、応援したいと思います。正直、私はアルファベットや数字の大小の価値は、もっと大事なものがあるのであまり優先していません。これも人それぞれの価値観なので、大切だと思うことは曲げずに大切にしてほしいと思います。
佐藤あいりプロが静岡支部のブログに書いた最終節の感想の一部です↓
「手がぶつかっていた」「アガりに結びつかなかった」「アガり回数が少なかった」「打点が安かった」などと言ってしまえば簡単な話。でもそれで片付けてしまうのは考えることや努力を放棄してしまうことだと思う。
今回昇級は逃してしまったが、今のままでAリーグに戻っても通用しなかっただろう。もちろんチャンスを逃してしまったという意味では痛恨の極みだが、この経験を成長の糧として、来期こそは納得のいく内容で昇級をしたい。
↑以前、佐藤プロにプロリーグ後に体調の心配をしたら、ノータイムで、「体調は言い訳になりませんっ!」と、自身の反省と対局相手の賞賛をしていました。こういう誠実な姿勢から学ばなければいけないことはたくさんあると思います。
今回の中部プロリーグで感じたことを私自身に取り込んで、より一層の成長をしなければいけないと感じました。
あともう1つの話。この写真を見てください。現在、鳳凰戦B1リーグ首位の藤島健二郎プロ。感想戦をしている様子です。
藤島プロはプロアマ関係なく、このように熱心に感想戦をします。私もさせていただいたことがある。藤島プロは、ミスした場面を示し、どういう意図で選択した、結果はこうだった、どうあるべきだったかを麻雀プロとして当然のごとく振り返る。話している内容は多少の相違はあるが望月プロの感想戦と似たようなものを感じる。望月プロもミスした場面をはっきりとあれはミスだったと口にする。アマチュアである私に対して、ミスを話すのは恥ずかしさもあるかもしれないのに、反省し、どうするべきだったかの思考をきちんと感想戦の相手に伝えるのがプロとして当たり前だと言わんばかりにいつも丁寧に話してくださります。
プロリーグ後の一部の感想戦では、自己弁護や自己主張、不運主張大会になっていたりして、プロとしてのプライドはこんなものなのかと思うことがあるが、ほとんどの感想戦は自分と相手とよく向き合った誠実で丁寧な検証が行われている。今期の静岡プロリーグや静岡プロアマは不思議とあちこちで熱が上がる場所が増えていて、この光景はいつ見ても嬉しくなります。
先程の写真を引き延ばします。左の人間は静岡プロアマでダントツ最弱の私です。映す価値も無しのためモザイク処理してます(>_<)
この時の質問はある局のリーチ判断の話。私の質問に対して、ここまで真剣に相談に乗っていただけるんです。私がどうしたかったのか、それならこうするべきだったという話、あとは藤島プロの経験則を伺ったり、包み隠さず話していただいた。質問者に対して、どうしたら理解してもらえるか、どうしたら糧にしてもらえるかを考えて、答えを導こうとしていただけるプロの気持ちを成長につなげないといけないなと思いました。
プロとしてのプライド。プロ意識の高さ、麻雀愛に全て込められているのだと思う。
私のプライドは・・・あってもちっぽけなもので邪魔なだけだから、私の場合は持たない方が良い。でも、努力と感謝が込められたプライドはこれからも高く持ち続けたいと思います。