蛍の光 | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

この恋がずっと続くと思っていたのに

それは叶わぬ夢と知ったのは、あなたと離れてからでした――――



















蛍の光













幸せな時間と不幸せな時間は隣り合わせ。

誰が言った言葉だろうか・・・・・・・・


夢だと思いたいのに、手に触れる感触は現実なんだと思い知らされる。


どんなに揺さぶっても揺さぶっても身体は冷たく

優しい飴色の瞳は見ることは叶わず固く閉じたままだ。


「ね・・ぇ・・・なん・・・で・・・・」


ポッ・・・ポッ・・・・


頬に当たる冷たい雨と同時に、頬に感じるのは生ぬるい赤い滴。


「・・・夫婦になろう・・」


彼の言葉が私の頭の中を木霊し

彼の柔らかい微笑みが私の脳裏に蘇る。


あの日、一緒に見た蛍の光を捕まえたくて

手を伸ばした私に


「子供だな・・巴は」


そう言いながら、水辺に止まっている蛍を捕まえて

私に見せてくれた愛しい人。


「・・・・・お願い・・・・・・」


誰か、私を壊して・・・・

あの人の世界へ私を連れて行って。


彼を私の目の前で斬り命を落とした、頬に傷のある彼ならば

私のあの人の世界へ連れて行ってくれるでしょうか?


「お願い・・・・私を一人に・・しないで・・・」


呟きは雨音を一緒に消えて、雨は愛しいあの人を連れていく。




「蛍になって・・・キミの所へ戻るよ」



あの帰り道、あなたが私にそう言ってくれた言葉


あなたは今、空に還り

私のもとへ戻る時は蛍になって傍にいてくれるのでしょうか?




「あなた・・・・私は・・・・・」















あとがき

戻ってきたので、さっそくお話を更新しました。

リクエスト小説からお先に・・ということで・・・・

「るろうに剣心」が映画化ということで、以前からリクエストのあった作品ですが

ようやく書きあげる事が出来ました。

短いですが、それでも巴さんの心情を私なりにあらわしてみました。