本日は何の記念日なのでしょうか?
遥か時空に住んでいる、お父さん、お母さん・・・
私・・・・時空を超えた様なんです。
それも―――――
ゲームの時空を超えた人になっちゃった・・・
「誰か居ませんかぁぁぁぁぁ~~~~~!!」
遭難した時って、テレビではこう言うね。
だから、私はそう言っているんだけど。
無意識にスカートの裾を掴む仕草に、思わず苦笑い。
「・・・あ~あ。どこなのよぉ・・ここは」
半泣きしそう。
ねえ?ありえますか?
部屋で寝て、起きたら見知らぬ森の中で目を覚ますなんて。
こんな事、現実ではありえないのさ。
ん?現実では・・・・・
「そっか・・夢なんだ」
夢だと、いきなり世界も変わるし
自分が知らない世界へ飛ばされちゃうんだわ。
そう思うと、不思議に怖さを感じない。
って言うか・・・・
「私って、結構、夢見少女なんだぁ~」
冷静になってあたりを見渡すと、緑が綺麗で風も心地いい。
「夢でも、風を感じるのかな?ってか、私、窓を開けっ放しって事ッ!」
あ~~
起きたら、お母さんに小言を言われちゃうな。
これで雨でも降っていたら・・
「説教だけじゃ・・済まない・・かも」
がっくりと項垂れ、盛大な溜息を吐いて
その場に座り込んだ。
「夢なら、どうやって起きたらいいのよお~」
「おや?」
「ん?」
頭上から聞こえた声に顔を上げると
そこには何処かで見たことがあるような顔の人が
優しい微笑みで私を見ている。
「迷ったのですか?」
「え・・あ・・はい」
う~~ん、こんなに美人系の男の人なら
忘れるはずないんだけどな・・
「ふふっ・・・どうしました?僕の顔をマジマジと見つめて」
「ああ・・・失礼しました。気を悪くしちゃいました?」
「いえ・・君の様な可愛らしい人が僕を見つめてくれるなんて
嬉しいですよ」
あぁ~~~~
その胡散臭い言い回しは・・・
「う~~~ん」
「どうしました?」
いやいや・・・返事に困るんですよ。お兄さん。
「弁慶さん、どうかしたんですか?」
「あぁ・・望美さん、実はですね・・」
「あ~~~~!!」
『弁慶』・『望美』
その名前が耳に届いた瞬間、思わず二人を指さしてしまった。
指を指して声を出した私に、二人はびっくりして私へ視線を向けている。
「なんだ!どうしたんだ!」
ワラワラと集まってくる人達の姿に
口があんぐりと開いたままの私・・・
「あ・・あの・・・大丈夫ですか?」
『望美』と呼ばれた女の子が、心配そうに
私の顔を覗き込む。
「大変な事になりました」
「はい?」
「私・・・・・時空を超えた人になったんだよ」
「「「「「「「は?」」」」」」」
集まった人の困惑を他所に私は空を見上げて祈りを捧げるポーズをとった。
「おかあさ~~~~ん!私、不思議世界へ突入でぇ~す!」