無意識の性質の悪さ(1) | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

本日は何の記念日なのでしょうか?

遥か時空に住んでいる、お父さん、お母さん・・・

私・・・・時空を超えた様なんです。




それも―――――




ゲームの時空を超えた人になっちゃった・・・









「誰か居ませんかぁぁぁぁぁ~~~~~!!」


遭難した時って、テレビではこう言うね。

だから、私はそう言っているんだけど。

無意識にスカートの裾を掴む仕草に、思わず苦笑い。


「・・・あ~あ。どこなのよぉ・・ここは」


半泣きしそう。

ねえ?ありえますか?

部屋で寝て、起きたら見知らぬ森の中で目を覚ますなんて。

こんな事、現実ではありえないのさ。


ん?現実では・・・・・


「そっか・・夢なんだ」


夢だと、いきなり世界も変わるし

自分が知らない世界へ飛ばされちゃうんだわ。

そう思うと、不思議に怖さを感じない。

って言うか・・・・


「私って、結構、夢見少女なんだぁ~」


冷静になってあたりを見渡すと、緑が綺麗で風も心地いい。


「夢でも、風を感じるのかな?ってか、私、窓を開けっ放しって事ッ!」


あ~~

起きたら、お母さんに小言を言われちゃうな。

これで雨でも降っていたら・・


「説教だけじゃ・・済まない・・かも」


がっくりと項垂れ、盛大な溜息を吐いて

その場に座り込んだ。


「夢なら、どうやって起きたらいいのよお~」

「おや?」

「ん?」


頭上から聞こえた声に顔を上げると

そこには何処かで見たことがあるような顔の人が

優しい微笑みで私を見ている。


「迷ったのですか?」

「え・・あ・・はい」


う~~ん、こんなに美人系の男の人なら

忘れるはずないんだけどな・・


「ふふっ・・・どうしました?僕の顔をマジマジと見つめて」

「ああ・・・失礼しました。気を悪くしちゃいました?」

「いえ・・君の様な可愛らしい人が僕を見つめてくれるなんて

嬉しいですよ」


あぁ~~~~

その胡散臭い言い回しは・・・


「う~~~ん」

「どうしました?」


いやいや・・・返事に困るんですよ。お兄さん。


「弁慶さん、どうかしたんですか?」

「あぁ・・望美さん、実はですね・・」

「あ~~~~!!」


『弁慶』・『望美』

その名前が耳に届いた瞬間、思わず二人を指さしてしまった。

指を指して声を出した私に、二人はびっくりして私へ視線を向けている。


「なんだ!どうしたんだ!」


ワラワラと集まってくる人達の姿に

口があんぐりと開いたままの私・・・


「あ・・あの・・・大丈夫ですか?」


『望美』と呼ばれた女の子が、心配そうに

私の顔を覗き込む。


「大変な事になりました」

「はい?」

「私・・・・・時空を超えた人になったんだよ」

「「「「「「「は?」」」」」」」


集まった人の困惑を他所に私は空を見上げて祈りを捧げるポーズをとった。


「おかあさ~~~~ん!私、不思議世界へ突入でぇ~す!」