愛の言葉 | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

悠久の中 出会ったから


その想いを あなたに贈ります




愛の言葉



「詩紋くん」


「あかねちゃん」


パァ・・と顔を明るくし駆け寄る姿は、可愛らしくて思わず零れた笑み。


「どうしたの?」


首を傾げる姿すら可愛らしいから、思わず抱きしめると

少し慌てた様子を見せた詩紋。


「可愛い~」


「可愛いって・・・僕、一応男なんだけど・・」


困った様子であかねに告げると、ごめんねと肩をすくめて

笑顔を見せる様子は、決して悪気が無いのがわかるから

詩紋もそれ以上言えず同じように笑ってそれ以上何も言わず言葉を飲み込んだ。


「あれ・・・」


不意に感じた違和感に声を上げた。

そんな詩紋にあかねは首を傾げる。


「あかねちゃん、どうしたの?」


「う・・ん。ちょっと、ね」


あかねの瞳がいつもより少し影を帯びていたから

訊ねると、困った顔を見せて詩紋を見つめる姿に

詩紋はズキリと胸をいためる。


「龍神の神子」と呼ばれるようになって

あかねは京で鬼と対決する為にそして怨霊を封じる為に

毎日奔走している。


大なり小なり身体や心の負担が大きいんだと

詩紋は思っていた。


八葉と言われている自分よりも責務が大きすぎて

時々塞ぎこんでいる姿に胸が痛むこともしばしばあった。


「・・・あかねちゃん」


「なに?」


「お菓子作ろう?」


「お菓子?」


急にお菓子作りを提案した詩紋にあかねは首を傾げる。


「うん、甘くて美味しいお菓子。幸せになるよ」


にっこりと笑顔を見せて、手を取ると歩き始める。





「・・・少しでもあかねちゃんが、元気になってくれるといいな」


「?何か言った?」


「ううん、なんでもないよ。何を作ろうか?」


小さく呟いた言葉を誤魔化すかのように、詩紋はあかねに

安心できるようにもう一度笑顔を見せると台所へ向かう。



少しの間だけでも、あかねの心が軽くなるように願いながら。











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あとがき

詩紋くんは「お初」です。

可愛い弟のような詩紋くんは、一番心優しい八葉のイメージ。

現代でも京でも、受け居られない外見に心を痛めながらも

相手を思いやる姿に、心打たれました。


そんなイメージの詩紋くんをかけているのかは謎ですが・・。

私の文章力では・・駄目かも。

うぅぅ・・・(_ _。)