強がらないでいいから
君の全てを包み込める男(やつ)になりたいと願う。
膝を抱え、声を押し殺して泣いている君の姿を見て思わず眉を寄せた。
わかっている
わかっているんだ
君がアイツを想うとき、君がアイツと話した後、ひっそりと涙を流している事を。
知っていて何も出来ない自分に嫌気がさす。
君の背後から君を抱きしめ、君の涙を止めたいのに。
だけど、君の背中が拒絶している。
僕らに見つけてほしくないと。
僕らに気付かれたくないと。
あと一歩、あと一歩踏み出せば君に触れる事が出来るのに出来ない。
「さて、寝ようか」
何事もなかったかのように、僕らに笑顔を向ける君に僕らは何時もと同じように返事を返し、君を見送る。
弱い所を見せてもいいから…
そんな君も、僕らは丸ごと愛しているから。
君を護りたいから。
■□■□■□■□■□■□■□あとがき
友達から、[嵐]のONLY LOVEの曲をイメージした「緋色の欠片」を書いてとムチャなリクエストがあり、必死になって曲を聴きながら書き上げました。
果たして、コレが曲のイメージ&緋色のイメージになっているのかは、この際気にしないで読んで下さい。緋色ファン・嵐ファンのかた、広い心で許して下さい。