刻む時間 | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

ぼんやりと景色を眺めていた。


ただなんとなく。ぼんやりと


手をつないでいた日々が懐かしくて、けれどそれは遠い過去の遺物。






微笑みはなくなり、そばにいることが苦しくて

二人の間に見えない壁が見え始めたとき




離れることを決意した――――。




それを許すことはあなたはできず

私はあなたから逃げることもほかの道を進むこともできず。






そして



私はぼんやりと景色を眺めている。





「私はどこへ行けばいいの・・・・?」
















「では、望むか」




突然聞こえた声は私の脳を直撃し




「その願い叶えよう」




告げられた言葉は甘くてゆるく私を縛りつける。




「そのかわり条件がある」




どんな条件でもかまわない。

私がこの世界で存在しなければかまわない。

あの人の手の届かない場所へ行けるのなら何でもいい。




「では、願いをかなえよう」




声と同時に意識が遠のく――。

閉じる瞳

重くなる体


けれど



私は笑っていた・・・・・・。