綺麗な人だった。本当に綺麗な人で。
俺を夢中にさせた。
「愛しているわ」
俺の言葉に答えるかのように、微笑を浮かべ
俺の首に腕を絡ませ耳元で囁く。
一緒なのだと。
俺と一緒の想いを抱いているのだと思っていた。
けれど思っていたのは俺だけで。
手を差し伸べた手をとってくれたと思ったのも俺だけで。
本当は俺を見ていたわけではなく。
俺を愛してくれていたわけではなく。
「 」
彼女の告げた言葉に、俺の身体は身動きが取れなくなった。
「愛している」
その言葉は、俺を縛る言葉になって。
「側に居て」
その言葉は、俺の心を冷たく凍らせた。
美しい人。
俺が愛した人。
その人が俺に与えたのは
逃れることが出来ない闇の中。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
現在、攻略中の〔花宵ロマネスク〕のキャラ、宝生葵をイメージに
書いてみました。
どうでしょうかね?