いつだって護ってくれた。
幼い頃からずっと
本当にずっと貴方は私を護ってくれた。
それなのに、私は貴方の優しさをちっとも気がつかなくて
遠い記憶
もう頭の片隅にしか残っていない記憶
断片的な記憶
けれど 私を護ってくれるその後姿は
今でも私の目にははっきりと覚えていたのに
それが貴方だと思い出せなくて。
私の言葉を貴方はどんな思いで聞いていたの?
どんな気持ちで私を見ていたの?
貴方のことを思うと胸が痛むの。
晶・・・・。私の守護者・・・。
季封村の玉依姫と守護者の鬼崎さんの姿をみながら
貴方は何を思っている?
まだ自分は何も出来ないって思っているの?
私は貴方がいるだけで嬉しい
貴方が側にいる、それだけで強くなれる。
玉依姫として。
そして一人の人として。
それは貴方に私がもらったものだから
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いつだって見ていた
幼い頃から、君だけをずっと見ていた。
君の悲しみも苦しみも全部俺が救ってやるって。
そう思っていた。
あの日
あの時
小さな君を、小さな俺が護れたことが本当に嬉しくて
君を護れたのが自分だったことが誇らしかった。
「おまえ、昔の俺みたいだな」
俺達の危機を耳にし、天野さんが呼んでくれた季封村の鬼崎さんが
俺をみてぽつりとつぶやく。
そんな彼の視線から逃れるように俺はそっと君の姿を捜し
唇をきつくかみ締めた。
俺は、君を護れているのだろうか?
君を泣かせてばかりの俺は。
君が誰よりも大切で、誰よりも守りたくて
それなのに――――。
思い出すのはあの瞬間。
目を覆いたくなるようなあの瞬間。
自分が自分ではなくなる。
その感覚だけ。
君を傷つけてしまうかもしれない。
誰よりも守りたいって思っている君を俺自身が・・・。
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限定の小説で書いたお話と若干にているような・・・。
こちらは翡翠の雫で、晶×珠洲って事で
お互いがお互いを大切な人なのに想いが強すぎて・・っていう感じです。