そばにいるよ | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

いつだって護ってくれた。

幼い頃からずっと

本当にずっと貴方は私を護ってくれた。


それなのに、私は貴方の優しさをちっとも気がつかなくて


遠い記憶

もう頭の片隅にしか残っていない記憶

断片的な記憶


けれど 私を護ってくれるその後姿は

今でも私の目にははっきりと覚えていたのに

それが貴方だと思い出せなくて。


私の言葉を貴方はどんな思いで聞いていたの?

どんな気持ちで私を見ていたの?


貴方のことを思うと胸が痛むの。


晶・・・・。私の守護者・・・。


季封村の玉依姫と守護者の鬼崎さんの姿をみながら

貴方は何を思っている?

まだ自分は何も出来ないって思っているの?


私は貴方がいるだけで嬉しい

貴方が側にいる、それだけで強くなれる。

玉依姫として。

そして一人の人として。


それは貴方に私がもらったものだから



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いつだって見ていた

幼い頃から、君だけをずっと見ていた。

君の悲しみも苦しみも全部俺が救ってやるって。

そう思っていた。


あの日

あの時


小さな君を、小さな俺が護れたことが本当に嬉しくて

君を護れたのが自分だったことが誇らしかった。



「おまえ、昔の俺みたいだな」


俺達の危機を耳にし、天野さんが呼んでくれた季封村の鬼崎さんが

俺をみてぽつりとつぶやく。

そんな彼の視線から逃れるように俺はそっと君の姿を捜し

唇をきつくかみ締めた。


俺は、君を護れているのだろうか?

君を泣かせてばかりの俺は。


君が誰よりも大切で、誰よりも守りたくて

それなのに――――。



思い出すのはあの瞬間。

目を覆いたくなるようなあの瞬間。


自分が自分ではなくなる。

その感覚だけ。


君を傷つけてしまうかもしれない。


誰よりも守りたいって思っている君を俺自身が・・・。







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限定の小説で書いたお話と若干にているような・・・。

こちらは翡翠の雫で、晶×珠洲って事で

お互いがお互いを大切な人なのに想いが強すぎて・・っていう感じです。