ジープが川へ落ちた瞬間。咲弥はその様子を呆然と見ている
一人の女性に声をかけた。
「ごめんさい。驚いた?」
「いえ・・・あの・・・」
ブクブクと泡と共に勢いよく悟空と悟浄が顔をあげる
三蔵は俯いて何も言葉を発しない。
「おい!てめーのせいだぞ!このバカ猿!!」
「何でだよ。もとはといえばお前が・・・・」
水に入ったままでも喧嘩を始めている二人を
三蔵は勢いよく顔を水に沈めた。
「死ね!このまま死ね!!」
ゴボゴボと顔を急に押され驚いている二人
くすくすと笑い声が聞こえると
咲弥とここの近くの村の女だろうか笑って三蔵たちの様子を見ている。
「だから、降りたんですか?」
「ごめんね。八戒・・・。濡れたくなかったから」
「てめぇ・・・」
「三蔵もごめんね・・・。でも、」
言葉を区切り、やっと三蔵の手から逃れた二人も
咲弥の言葉を聞いている。
「こんな風に楽しい時間は久しぶり
だから、嬉しい・・・・。」
心からの咲弥の笑顔に全員、視線をそらす
女はそれでも笑っている咲弥と少し顔を紅くしている四人を見比べる。
「よければ、服を乾かしに着てください
笑ってしまった御礼に・・・・お茶もご馳走しますよ」
「お茶、飲みたい」
「すみません。よろしいですか」
咲弥と八戒の言葉で女の家によることが決定した。