未来から過去への予兆 | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

遙か彼方

時空の彼方へ飛ばされた瞬間

狭間を彷徨いながら思った。


願えばあの人の元へ行くことが出来るのだろうか?


けれどそれを願った瞬間

私は



「どうした?」


「なんでもない」


急に見つめられた貴方は、少し驚いて私に尋ねたが

私はごまかすかのように笑顔を返した。

そうか。

貴方はそういってまたぱらりと本をめくる。

その姿をしばらく見つめ

私は後ろを振り向いた。

貴方は気がついていない。


私が旅立ってしまったら

貴方はどうしますか?

哀しみますか?

それともこの世界から私という存在は消えてしまうのでしょうか?


そう思うだけで、身体が震える。


「寒いのか?震えている」


貴方はそういって、私を抱きしめる。

貴方に抱きしめられているのに私の心は

遙か時の彼方へ住んでいるあの人へ心を向けている。

自分の愚かさを呪ってしまう。


「もう、寝よう、疲れているんだろう」


「うん・・・」


しっかりと抱きしめられて眠りに落ちる。

だけど分かるの。

貴方の腕に抱かれるのがこれで最後だってこと。

貴方の瞳に写るのが最後ってこと。


次に目が覚めた瞬間


私は―――――


私が運命を変えたいあの場所へ降り立っている。










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あとがき

オリジナルヒロインの過去を少し描いてみました。

何かに引き寄せられているそんな予感を感じたヒロインの過去を

描きたくて書きました。

遙かへ行く前にいた人は誰でしょう?

それはやはり謎のままなのですよ。(私の頭の中だけですね←おい(。・ε・。)