8月20日、21日に東京・麹町で全国大会を行いました。

編集委員の先生方をはじめ、180名を超える会員が集まりました。

篠・橋本先生の対談、年間テーマ「今日における詩性」についてのディスカッション、

壇上での歌会など、濃密な2日間になりました。

大会の様子は「まひる野」11月号に掲載される予定です。


また、大会のなかで、「第56回まひる野賞」の表彰が行われました。

今年度は柴田仁美「風の街」、山川藍「R-28 きわめて一般的な正社員(女性)が受賞し、
倉田政美「塾講師の日日」が候補作品に選ばれました。

受賞作品の詳細は「まひる野」8月号をご覧ください。


<まひる野賞受賞作品>


 柴田仁美「風の街」


またひとり子は出でゆきぬさはさはと白シャツ揺るる春の日差しに


カレンダーの白く空けるは子供らが別の時間を行きゐる証し


坂の街にのたうつ大蛇の腹見せて高速道路のびてゆきたり


吾の頃は不良の聴けるビートルズ娘は聴けりクラシックとして


生まれてより初めてひとりになりし子はごつんごつんと暮らしてゐるや



 山川藍「R-28 きわめて一般的な正社員(女性)

眠剤の眠がわたしにしがみつく駅ゴミ箱につかまり立ちす


母親はフェリスを出てはおりますがオトコという語をカタカナで言う


あなたまた悪くなるよと僕それに賭けてもいいと言われる ふーん


抗うつ剤(パキシル)を飲んでることをかまわれて善意について評価が下がる


退職の一日前に胸元のペンをとられるさようならペン


<まひる野賞候補作品>


 倉田政美「塾講師の日日」


解答と異なる数字が出てしまい瞬時に舌は砂丘に変わる


数学も英語も成績「1」だけど挨拶の声は総代のごとし


剣山のようなまつ毛を光らせてわれを睨むが名前も知らぬ


ケータイを持たない生徒それだけのことなのになぜ天使に見える


落ちたのかそうか早稲田に落ちたのか俺もそうだとついぞ話せず