『まひる野2月号』

まひる野集


戻りきて夜のストーブに火を点す頭がゆるみからだがゆるみ   市川正子

数学を解く息子なにかうれしげにお尻の形のグラフ書きおり   広坂早苗

少しずつかつ着実に渇きゆく癒えざる傷にバンドエイド貼る   高橋啓介


作品Ⅲ


公園で背中に当たる冬の陽は目を閉ぢてゐても雲間が分かる   柴田仁美


ひと房のおほき蜜柑のお月様目守る童の真白の胸に   巻珠桃