森田さんと田村さんのお話です。
田「今日は綺麗な満月やな〜」
屋上のフェンスに寄りかかってそう言った保乃ちゃん
森「ねぇこんな話知ってる?」
ひぃちゃんの話に耳を傾けた。
森「雲ひとつないある満月の晩、かぐや姫はねこんな詩を詩ったんだってよ」
田「詩?」
森「恋降る月夜に君想ふ。ってね」
田「恋降る月夜に君想ふ?」
田「なに?ひぃちゃんがそんな話するなんて。意外と乙女チックなんやな笑」
森「いんや。そんなんじゃないよ。ただかぐや姫は誰を思い浮かべてそんな詩を詩ったんだろうね?」
田「…」
森「まぁ、想い人の居ない保乃ちゃんには分からないかもね笑」
ベンチに寝そべって儚げな瞳とその横顔で雲ひとつない満月の夜空を見上げて吐き捨てるように言ったひぃちゃん。
田「ムカつく…。」
寝そべっていたベンチから起き上がり立ち去ろうとするひぃちゃんの腕を掴んだ。
田「恋降る月夜に君想ふ」
保乃ちゃんが私の腕を掴んだまま真っ直ぐな目でそう言った。
森「ん?どうしたの?」
あー、ひぃちゃんの考えてることってほんとよく分かんないや。
田「ほんとさ自分も人のこと言えないじゃん」
森「何の話なのさ笑」
悩める乙女心と運命が私たちの恋の続きを黙ってる見てる気がした。
田「ほんと鈍いね」
今言わないと一生言えない気がする。
だからよーく聞いててよね。ひぃちゃん。
田「ひぃちゃんのこと好きだって言ってるの」
保乃ちゃんからの真っ直ぐな告白。
あの満月の晩、かぐや姫が何であんな詩を詩ったのか少しだけ分かる気がしてくるよ。
森「そっか。」
森「ほんとに恋が降ってきたみたいだね。」
満月の光に照らされてそう言ったひぃちゃんから目が離せなかった。
森「好きだよ。保乃ちゃん」
おしまい。
キンプリさんの「恋降る月夜に君想ふ」という曲を台詞で使わせていただきました。