お久しぶりです。


このブログを書いている2月12日現在、

移植した筋肉は動いていません。(約術後10ヶ月)


動いていない、と書くと

同じような手術を考えている方には

もしかしたら不安を与えてしまうかもしれません。

あくまでも、これは私の場合なので

こういうパターンもあるんだなぁ位に

見てもらえたらと思います。


動かなかったのはすごく残念ですが、

(97%動くと言われていたので、

期待がものすごーく大きかった爆笑

この手術方法は自分に合わないんだなと

分かったことは、すごく良かったです。


顔面神経麻痺になって良かったとは思えないけど、

この広背筋移植の手術をしてもらえたことは、

私にとって良かったです気づき




2024年1月17日(水曜日)


7月受診の次は10月の予定でしたが、

日付けを何度か変えてもらったので

久しぶりの受診です。


全く動かないことを先生に伝える。


イーッとしてみてと言われ、イーッとする。

動かない右頬を見て

あ、ほんとだ。もう少しで1年経つよねとМ先生。


健側の頬をトントンと叩いて

患側に響いているか聞かれる。

何も無いことを伝えると、

今まで一度も響いている感覚がなかったか?

と聞かれる。


神経が入ってきたら、

患側に響く感覚があると先生は言う。


もう一度イーッとして、

次は噛むだけの表情をする。


動いてないねと先生。


ボトックスはどうなっているのか聞かれて

その話をする。

(患側の目の下の痙攣が無くなったことが、

すごく嬉しいと伝える。)


・K先生が以前、体格がいいと動きにくい場合があると言っていたので、それですか?と聞く。

→関係ないとМ先生。


・何で動かないと思います?

→動かす為には、

まず神経が伝わらないと動かない。

そして、伝わってきたところの先にある筋肉がちゃんと収縮してくれなきゃいけない。

今回の手術としては、型通りの手術。

ほとんどの先生が(顔面神経麻痺の笑顔の再建は)同じ様なやり方でやる。

ただ、人により結果が異なるのは、

繋いでいる神経のパワー

その力が弱いのかなと思う。


イーッとする神経は一本じゃない。

何本か入ってる。

分かれて入ってる神経のうち一本を選んで繋いでいる。

分かれる前の根元の太いところに繋げばめちゃくちゃ力はある。


そして、ここが記憶が曖昧で。

メモしたノートには、

「だが、そこに繋ぐと、患側が麻痺しているから」

↑と書いてあるのですが、

今読み返してみると自分で書いたことが

良くわからずアセアセ(次回、聞きます。)


だから、1番根元の力のあるところではなく、

何本か分かれたところで繋ぐんだけど。

神経の刺激装置を使って動きを見て

良く動いているのを確認してから繋いでる。

だけど、繋いだ神経の勢いの強弱で

術後の動きの結果が分かれるという論文はある。


繋いだ神経自体の勢いが弱くて、

動きが悪いという可能性はある。



・もし反対側の広背筋を使う再手術を希望しても

この前の手術で、

1番動きの良い神経を選んでいて動かないのなら、

反対側の広背筋を使うのは意味ないですか?


また、この手術は私には合わないということですか?


→うーん、その可能性はある。

やってみないと何とも言えないけど、

やって動く保証もない。


他のやり方は、咬筋って噛む神経とか

首の神経を使う手術もあるけど。



・そう言えば、

咬筋に繋いでいる病院もありますよね?と聞くと


→咬筋はクチャクチャ噛む時に、顔がビクビク動くから

最近咬筋を使う施設は少なくなってきている。

顔面神経だけだと、

今回みたいに動かないことがあるから

やった側も(医師)やられた側も(患者)

残念な気持ちになる。

保険をかける為に咬筋に繋ぐ施設もある。


咬筋神経ってむちゃくちゃ力が強いんよ。

力が強すぎるから、間に人工神経を入れて繋ぐこともある。人工神経を緩衝材として使う。

人工神経は人工物だから、

咬筋神経に繋ぐと100の勢いで繋がるものを、

緩衝材を入れたら

100が70とか50のパワーに落ちるであろう、という

理論的な期待をしてやっているんだろう。

こればかりは、実際やってる人にしか分からない。



・間に人工神経を入れて繋ぐと、

自然な笑顔に近付くんですか?

→そこは東京のK病院の先生が

やっておられるみたいだけど、

学会で聞く限りでは、

うーん学会ってやっぱりね、いい症例を出すから。



・K先生が97%は動くと言ってました。

→K先生が100人この手術をして

97人動いているのか、

50人のうちの97%なのか

分母が100じゃないからね。

少なくともうちで(岡大で)100人もしてないから。


それに、自分の体感と一般論とは

個々で異なるから。

ほんの少ししか動かなくても、

動いたに入れるからね。

でも、患者さんからしてみたら

僅かしか動かないのに、

動いたにカウントされてしまうんだと思うだろうしね。


M先生はこの筋肉移植の説明をする時には

何%とかは言わないようにしているそうです。


僕も顔面神経麻痺の手術を何件かしたけど、

めちゃくちゃ動いて満足度が高かったという患者さんは正直居ない。


神経の手術って難しくて、

信号が入りすぎるとむちゃくちゃ動くし

咬筋に繋ぐと食事中に動いてしまう変な動きをしたり、不都合がでたり。

かと言って、顔面神経だけだと動きが弱いとか。


顔面神経麻痺の手術は、これが正解と言った方法がない。敢えて言うなら、今回の広背筋移植がオーソドックスなやり方かな。

杏林のT先生はうちと同じ様なやり方。

K病院は咬筋に人工神経かますとか。


それ以外に前鋸筋(ゼンキョキン)っていう

広背筋の前にある筋肉を使ったり、

薄筋を使ったり(ハッキンは足にある筋肉だそう)


クロスフェイスっていう、

先に神経をうって、筋肉移植するとか。


色々な方法が全国の施設で試されている。

やってる人は、みんな自分の方法が良いと思って

学会に出すけど

手術の特殊性っていうのはあって、

神経と筋肉の移植は患者さんによって結果が全然違う。



・広背筋移植ではない、私に向いていそうな手術は

ありますか?

→ちょっとでも筋肉が動いていれば、

固定し直すとか、他にも方法はあるんだけども。

全く動いてないから、正直何とも言えない。



・移植した筋肉がはずれてる可能性は?

→無い。見て分かる。


・(移植筋が外れてないと)見て分かるのは何故?

→皮膚は動かないけど、奥の深いところで筋肉の動きが目視で確認できる。

神経が入ると移植した筋肉が収縮するんだけど、

表情を作るためには皮膚に筋肉がきちんと作用しなければならない。

ほうれい線の裏に糸をかけて筋肉を引っ掛けてるから、

動けばほうれい線も引っ張られるんだけど、

外れていると動かない、動きが悪い。



・顔面神経麻痺になってから、

年月が経っているから動かないとかありますか?

→左側は麻痺していないし、

移植した筋肉も動いている筋肉を移植した訳だから

年月は関係ない。


それよりも、4月に手術をして

3ヶ月後の7月に診て

そこから日にちが随分飛んどるから

経時的な変化を追えてない。


大体2〜3月おきに診ていると

(先生が)叩いたときの感触とか

患者さんのほうでの感覚で

経時的変化を追えるんだけど。


7月受診の後が1月だから、間が空いてしまい

変化の把握はしきれないんだけど。

今回、「経時的変化」という言葉を先生は

何度か使っていました。


・今トントン叩いても

患側にピリッとした感覚がないってことは、

10月受診していても

なかったんじゃないですかね?と言うと

→考え方にもよるけど、

神経の再支配が完了すると

そういうピリッとした感覚は消えていくから。

神経が繋がっていく途中は、ある程度響く。

今神経が入ってるかどうか、

そこは何とも言えない。


ただ1つ確実なのは、

神経が入ってないなら、筋肉の大きさは移植時より50%以下に減っているはず。



・側頭筋移行術はどうですか?

→それは笑顔の再建ではなく、目の周りだけ。

(笑顔の再建でもあると聞いたと伝えると、)

一般的ではない。やってる人あまりいない。

噛むと縮む筋肉なんだけど、

目の周りを囲んで目を瞑るようにすることは出来ても

広背筋とは違って

ものすごい筋肉のボリュームがとれる訳でも

引っ張られる訳でもない。

岡大では側頭筋は目を閉じる為にはつかって

笑顔の再建にはつかわないそうです。


2年程、様子をみたほうが良い。

(2年ですか!?と聞くと)最低でも1年。


他の人で、耳下腺腫瘍で耳下腺とって

麻痺になった人にクロスフェイスの

神経移植だけした人で

1年3ヶ月経ってから神経が入ってきた人もいたから。


神経の回復は1日1mmって言ってるけど、

人それぞれ。


・1年みて、それでも動かなかったら

筋肉はとれますか?

→とる必要はない。

厚ぼったさは薄く出来る。


・動かないなら、薄くするよりも取りたいです。

→うーん。

どっちでも出来るんだけど、

普通は神経の支配がなく表情筋が動かないと

表情筋自体も痩せて小さくなる。


・薄くする、筋肉をとる

それぞれのメリットデメリットは?

→どっちでも大丈夫。でも、とる選択肢より

薄くしたり削る選択肢をする方が多い。


とるにしても、術後1年は早いと思う。

2年は置いといていい。

顔面神経麻痺の手術に限らず、

筋肉の移植をして

時間の経過で追って診ていくと

脂肪はほとんど減らないけど

筋肉は神経が入らないと大きさは半分以下になる。



今の状態の写真を撮る。

目を軽く閉じる

目をギュッと閉じる

イーの表情

口膨らます

おでこにシワ寄せ



・患側のほうれい線にフェイスリフトは?

→あれは皮膚の垂れたおばあさんがやるものだよ。

(若い方も美容でやっていますよね?ほうれい線にも効果あると見ました。と言うと)

フェイスリフトは戻る。

顔面神経麻痺になっているから

ガッツリ留めようと思ったらとめれるんだけども。

普通は顔面神経を傷つけないようにとめる。


柔らかい組織と固い組織を

とめれたらいいんだけど、

柔らかいもの同士を(脂肪と脂肪)繋げる。

相手が固ければ、

とめるときにぐっと引っ掛かってくれるんだけど。柔らかい者同士だと、

どうしても時間の経過と共に緩んでいってしまう。


・他院の話をする。

先生が、せっかく手術をしたのに

申し訳ないと思うみたいにおっしゃったので


この手術をしてもらって、

私には向いていないことが分かり

とても良かったと思っていること。


動かなかったのはすごく残念だけど、

笑顔の再建術の方法がもうないと言われることのほうが怖いことなど伝える。

他の方法をしているー病院とか〜病院はどうですか?と

顔面神経麻痺の患者さんが多く集まりそうな、

都内の病院の話になる。

咬筋神経にも繋げているみたいですと言うと


→O先生は咬筋に今は繫げてないんじゃないのかなと。うちのK先生も今は咬筋に繋げていない。


岡大では、笑顔の再建術で

咬筋に繋げたり側頭筋移行術はやっていないそうです。(咬筋に昔は繋げていたらしい。)

その理由は、写真を撮る時など笑顔を作る時は

奥歯を噛みしめれば笑顔ができるけど

人は本来笑う時に奥歯を噛み締める笑い方はしないから

不自然だよ、と。


噛む時に動いたり、

その他の不具合もあったとのこと。

だから、広背筋移植のほうが一般的とのことでした。


全然動かない!

と診察中に何度も言う患者の相手は

大変だっただろうに、

何で動かないのか、

先生の考えを分かりやすく説明してくれました。


広背筋移植で動かなかった私は

正直、咬筋神経にも繋いで欲しいなと。

写真を撮る時だけでも

奥歯を噛み締めることにより、ニコっと出来たら

すごく嬉しいよなぁと思います。


側頭筋移行術のことも気になります。


同じ筋移植をされた方で、

動いたという方のブログを見ると励みになるし、

そこの病院の先生が気になったりします。

(人それぞれとは分かってはいるものの爆笑


そして、私が通っている病院では

顔面神経の筋肉移植を

100件もしていないという言葉にも驚きました。

(勝手にたくさんしていると思っていました。)

手術前に、きちんと聞くべきことですね。


この前放送された

山本匠先生も気になるし、

東京の顔面神経麻痺の患者さんを多くみているであろう病院も行って、お話を聞いてみたいです。


色々な先生の考え方やお話を聞いて

手術のリスクなども踏まえたうえで

この先のことを考えてみたいなと思っています。



↑山本匠先生の顔面神経麻痺の手術で、

顔面神経も神経幹だけ繋ぐのではなく

更に細い神経束まで一本ずつ繋げることで

早く再生させるって素晴らしいな、と。

(通常半年〜動くのが、3ヶ月で動くそうです。)



とりあえず、最低でも1年は〜と言われたので、

次の診察の時に

色々な先生のお話を聞いてみたいと伝えて

紹介状をお願いしたいなと思っていますおねがい