終戦80年特別展示「トランクの中の日本 ~戦争、平和、そして仏教~」が最終日を迎えます。多くの方々にご来館いただき、80年前の戦争から学ぼうとする方々に頭の下がる思いを抱いておりました。


局地的に続く戦争は、実は世界の至るところで進む人間の心の崩壊の表れに思えます。人が人として大切なものを見失い、欲望と恐怖に取り憑かれ、一方的な自己愛を主張すれば衝突は避けられません。


国民の安全と国家の繁栄、安全保障と経済発展。正義の名のもとに繰り返されてきた戦争の真相を見極めなければ、やはり人間は歴史から何も学んでいないことになるでしょう。そうなれば、再び愛する我が子が戦場へ駆り出され、幼い兄弟のような不幸が繰り返されてしまう。今、乾燥した草原に火種が降り注いでいるかのような恐怖を覚えます。


10年前、京都佛立ミュージアムは終戦70年を契機として「トランクの中の日本 ~戦争、平和、そして仏教~」展を初めて開催いたしました。大きな反響をいただき、京都展、東京展、サンマリノ展、イタリア展、ブラジル展へと、ご縁が広がってゆきました。ローマ教皇・フランシスコとのエピソードは忘れ難い出来事でした。この写真の持つ力を痛感いたしました。


サン=テグジュペリが言っているように、傷ついた少年の姿に涙するだけでは戦争は無くならないし、子どもたちは傷つき、若者の血は流れ、不幸な母が生まれ続けるでしょう。私たちがこの写真展から学ぶべきことは、人間の弱さと強さであり、その本性だと思うのです。


敵愾心に燃えて日本へやってきたオダネル氏が、帰国前に後悔の念を抱いたのはなぜなのか。彼はなぜ多くの写真をトランクに封印したのか。来館者の方々は80年前の彼の足跡を追体験し、彼の心の変化の理由を感じていただけたでしょうか。


憎み合い、殺し合い、悪魔的兵器・原子力爆弾まで使用するに至って戦った敵同士が、終戦からほんの数ヶ月後に一枚の写真に収まっている。そこに笑顔がある。


悲惨な被爆者の写真と、犠牲となった家族や子どもたち、焼き場に立つ少年の写真と、米国人と日本人、人間同士の交流の姿、そのコントラストが浮かび上がります。


肌の色も、言葉も異なる人びとが、同じ人間であったことに気づく瞬間、戦争という最も恐ろしく最も愚かで最も原始的な人間の本性が、妄想と幻想によって生み出されたものであることにも気づくと思うのです。


心の中に修羅がいる。鬼もいる。その恐ろしさ。同時に、心の中に菩薩がいる。仏もいる。この尊さ。人間の愚かさを知り、人間の可能性を信じることが、仏教の説くところです。


確かに、民族に違いがあり、国が違い、歴史が違い、文化が違い、肌の色も、語る言葉も、色々な面で違いはあり、それは極めて重要なことではありますが、それぞれの生命や幸福、それぞれに子どもや家族を愛する気持ちは同じです。


人類を俯瞰した仏陀は、次のような言葉を残しています。


「これらの生類は生まれにもとづく特徴はいろいろと異なっているが、人類はそのように生まれにもとづく特徴がいろいろと異なっているということはない。


髪についても、頭についても、耳についても、眼についても、口についても、鼻についても、唇についても、眉についても、(中略)他の生類の間にあるような、生まれにもとづく特徴(の区別)は(人類のうちには)決して存在しない。


身体を有する(異なる)生きものの間ではそれぞれ区別があるが、人間のあいだではこの区別(差別)は存在しない。言葉によって人間の間で差別が存在すると説かれるのみである。」『スッタニパータ』 第三「大いなる章」九「ヴァーセッタ」


人間として、人間を見る。ただ、それだけでいい。偏った思想や信条、時に宗教でさえ、人間を妄想と幻想の世界に陥れ、恐怖を植え付け、恐ろしく愚かな行動に走らせます。


「トランクの中の日本 ~戦争、平和、そして仏教~」展は、「焼き場に立つ少年」の写真を中心としてはおりますが、オダネル氏の心の変遷から、戦争と平和と仏教を考えていただく展示でした。人間の弱さを認め、なお人間の可能性を信じたい。重ねてそう願って開催させていただきました。


仏陀は次のような人間の軸を示しています。


「生まれによって賤しくなるのでも、高貴なものとなるのでもない。行いによって賤しくもなり、行ないによって高貴なものともなるのである」 『スッタニパータ』


南米ブラジルに仏教を伝えた本門佛立宗の僧侶・茨木日水上人は弟子への手紙に「平和国家で押し切る事が真の武士道」と記しています。そこには「諍い戦うことが武士道ではありません」とあります。


底が抜けてしまったような社会の中で、それでもヒロシマ・ナガサキのある世界唯一の被爆国、無惨な敗戦を経験した日本と日本人こそ、世界平和の希望であると信じます。


そして、仏教者である私たちは常不軽菩薩のように、人びとを幻惑する謗法こそ最も恐ろしいものと心得、仏法を伝える使命を身に帯びて、市井の中に分け入って、人を信じます、あなたを信じます、あなたを信じたい、あなたを信じさせてくれ、とご奉公してゆかなければならないと思っています。


戦争と平和、そして仏教。人間の業や性、その正体を説いた仏教に触れ、世界平和の希望として生きる大切さを感じていただけたなら、何よりの喜びです。


ご来館いただいたすべての方々、ご協力いただいた関係各位、各団体のみなさまに心より御礼申し上げます。そして何よりこの写真展の開催を支えてくれた京都佛立ミュージアムのスタッフに感謝しております。


どうか来年もよろしくお願い申し上げます。

よいお年をお迎えくださいませ。

ありがとうございます。


令和7年12月24日

京都佛立ミュージアム 館長 長松清潤 拝








毎年恒例、年末の教講納会を盛大に開催することが出来ました。みんなの朗らかな笑顔が輝いて見えました。住職として、これ以上の喜びはありません。


厳しい出来事の続いた年でしたが、年頭に掲げた弘通4誓願(教化誓願、顔主増加誓願、助行誓願、三大会参詣誓願)の全てを成就するという快挙を成し遂げ、歓喜踊躍の一年としてくださいました。本当におかげさまです。


来年は先住の御27回忌を迎えます。コンセプトは明確。量よりも質、オンラインよりオフライン、妙深寺のご信者さま方とさらに心を寄せ合い、ご奉公させていただきたいと思います。約30年ぶりに青年会の参与にも挑戦しようと思っています。


年の瀬、インフルエンザが大流行しています。うがい、手洗い、無事に一年の締めくくりが行えますように。そして、罹患してしまったらしっかり療養が必要。


火事にも気をつけましょう。コンセントなどもチェックする必要があるとのことです。横浜は風の強い日が続いていました。空気が乾燥しています。どうか、みんなで気をつけましょう。


いま妙深寺は「越年迎春祈願参詣」中です。年末の御礼、墓地や納骨堂へのお参り、みんなで感謝し、同時にマイナスを振り払い、より良い新年を迎えるために、お参りなさってください。


世界は不思議に満ちています。見えない存在を味方にしなければ自力だけでは限界がありますし、頓挫することばかりです。


当たり前のことですが、まずはご先祖さまを味方にしましょう。忘れていたら思い出しましょう。いなくなった人も、消えてなくなったのではないはずです。その存在にアクセスして、喜ばれる方法があります。


お参り、お待ちしていますー。

下記、年末年始の妙深寺の予定です。


12月20日〜29日 越年迎春祈願参詣


12月29日(月)9時~ 大鏡餅つき


12月31日23時30分~1月1日0時30分 除夜法要


1月1日(木)11時 元旦会新年初法要

2日~3日の三が日は、10時からお参詣を受け付けております。


1月4日(日)10時 くんげ会書初め


1月6日(火)~2月5日(木) 寒参詣


1月10日(土)

10時 佛立倶楽部御講

11時 ボーズカフェ



Arigatou gozaimasu.
This film was produced by The Primordial Buddhism, HBS Nepal. It traces the history of our activities.
In the beautiful natural scenery of Nepal and the sacred Himalayas, we met many people and shared compassion and inspiration with many.
Our prayers echoed through the Himalayan skies like birds in flight. Namu Myo Ho Ren Ge Kyo is the most sacred mantra, and many people have received miraculous blessings. We believe it is an expression of the compassion of the living Buddha. Our chanting can still be heard everywhere today, reverberating through the Himalayan skies.
Namu Myo Ho Ren Ge Kyo.
Arigatou gozaimasu.

ありがとうございます。
この映像はHBSネパールが制作しました。この映像の中には私たちの活動の軌跡があります。ネパールの美しい大自然と聖なるヒマラヤ。私たちは多くの人びととここで巡り合い、多くの人々と慈悲と感動を共有しました。私たちの祈りの声は空飛ぶ鳥のようにヒマラヤの空に響いています。
南無妙法蓮華経は最も尊い祈りの言葉であり、この御題目によって多くの人びとが妙不可思議な現証の御利益を感得しました。私たちはそれを生きている仏陀の慈悲の表れと信じています。
私たちの唱える声はz今日も至るところに聞こえ、ヒマラヤの空に響いています。
南無妙法蓮華経
ありがとうございます。






今週は白井貴子さんスペシャルでした。「学園祭の女王」と呼ばれたロックスター、本当に深くて、不思議なお話、ご縁を感じます。貴子さんパワーで「元気になーれ!」です。是非、ご視聴ください。


12月20日には長野の藤屋御本陳の3階でディナーショー。藤屋御本陳は国の重要指定文化財でもあります。


来年1月7日には名盤『Raspberry Kick』を復刻リリース。いつもながら本人書き下ろしのライナーノーツが掲載されています。


さらに、このCDにはボーナストラックとして1986年に行われた「JAPAN AID(ジャパン・エイド)」 の前夜祭のライブ音源が収録されています。音楽が世界を変える。そんな希望に満ちた時代のエネルギーが詰まっています。今の世界にこそ、音楽の力が必要ですよね。もう一度信じたい。AIはすごいけど、人間を信じたい。


2026年1月24日(土)は3回目となるKT Zepp Yokohamaでのライブが予定されています。


放送した曲は、白井貴子&The Crazy Boysの「Non Age(Live Ver)」と「Raspberry Gun」でした。


よろしくお願いいたします。


ONAIR DATE 2025/12/17 (Wed)

https://radiko.jp/share/?sid=YFM&t=20251217053000


『こころ仏(ほどけ)る 空飛ぶお坊さんの仏教の言葉47』 

https://amzn.asia/d/8GaTBdD


引き続き皆さまからのお便りをお待ちしています。素朴な疑問、質問、何でも結構です。


番組メールアドレス

lagoon@fmyokohama.jp


下記のサイトから直接FMヨコハマに送ることも出来ます。

是非、お便りください。お待ちしております。

https://www.fmyokohama.co.jp/form/message?p=6504


番組提供

株式会社ティー・エフ・ピー

https://www.tfp.vc


〈 協力 〉

100万人のクラシックライブ

https://1m-cl.com


M&Aベストパートナーズ

https://mabp.co.jp


妙深寺

https://myoshinji.jp/


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来る12月17日のFMヨコハマ「横浜ラグーン」は、歌手の白井貴子さんをゲストにお迎えしてお送りいたします。


12月20日には長野の藤屋御本陳の3階でディナーショー。藤屋御本陳は国の重要指定文化財でもあります。


そして、来年1月7日には名盤『Raspberry Kick』を復刻リリース。いつもながら本人書き下ろしのライナーノーツが掲載されています。


さらに、このCDにはボーナストラックとして1986年に行われた「JAPAN AID(ジャパン・エイド)」 の前夜祭のライブ音源が収録されています。音楽が世界を変える。そんな希望に満ちた時代のエネルギーが詰まっています。今の世界にこそ、音楽の力が必要ですよね。もう一度信じたい。AIはすごいけど、人間を信じたい。


2026年1月24日(土)は3回目となるKT Zepp Yokohamaでのライブが予定されています。貴子さんパワーでみんな元気になりましょう。


そんなこんなお話をお聴きできればと思っております。


明日の放送です。よろしくお願いいたします。


YOKOHAMA LAGOON | FMヨコハマ |

2025/12/17/水  05:30-06:00

https://radiko.jp/share/?sid=YFM&t=20251217053000