コツコツと
リハビリの毎日だった。
でも
指はびくとも動かなかった。
SNSを見て
コメントしたくても
左手ではうまく入力ができない。
友達に電話でもすれば
いいのだろうけれど
その時の私には
日々のことが精一杯で
明るい話題があるわけでもなく…
電話もかけられなかった。
世間からおいていかれたようで
孤独だった。
"何の役にもたたない自分"
を感じた。
そんな時思いだしたのは
難病で寝たきりの友達のことだった。
今の自分を
役にたたないというのなら
私はもっと動けない彼を
役にたたないひとだと
思っているということなのだろうか?
答えはNOだった。
身体が動かなくなっていく
病気の友達は
その当時、指先がなんとか動く
という状況の中でも
パソコンのマウスで
文字を選んで会話をしていた。
できていなことが
出来なくなっていくという
自分の現状の変化にも
文句を言ったり、
嘆いたり
弱気になった彼を
みたことがなかった。
いつも、その中で
どうしたら快適に過ごせるかを
考えて、行動していた。
彼の方がしんどいであろうに
会うと、笑顔をみせてくれる
そんな友達だった。
彼の存在自体が
その時の私が
私であることを支えてくれたように思う。
役にたたない人なんていない。
具体的に何かができなくても
どういう思いで存在するかで
宇宙の中では
大きな役割がある。
そんな気がした。
