ある時まで
私にとって父は
真面目に働いてきてくれた人
ゴルフと時代劇が好きな人
穏やかで優しい人
そんな印象しかなかったと思う。
母が脳梗塞で倒れた日を境に
私と父との関係は
大きく変わった。
入院した母の病院に
1時間運転して、父を連れていったり
実家に食事を届けたり
父と過ごす時間が急に増えた。
今から4年前、
父が87歳だったかと思う。
まさか父と
こんなにかかわる日が
くるとは予想もしなかった。
穏やかだと思っていた父が
意外にも小さな事で怒ったり…
きちんとしてると思っていた父が
だらしなかったり…
親といえども
かかわってみないと
わからないものだ。
本気で喧嘩しかけたこともあった。
たわいのないことで
怒り出し、腹たって私に
殴りかかろうとした父。
その姿にひるむこともなく
「殴りたかったら殴れば⁉️」
と言い返していた。
そんな強気の私がいることを
見せてくれたのも父。
そして、母がくれた父との時間。
こんな流れで
私と父がかかわれる機会を
つくってくれたのかもしれないな
と思うと、
ありがたかった。
見えないけれど
確かにある。
そんな世界を、
力を感じながら
父との時間を
ありがたく過ごさせてもらおうと
その時、きめた。
