23話

次男はよく言っていた。

「僕、結婚しないと思う」
「なんで?」
「だって、
僕みたいな子どもできたら
いややし、
よー育てへんもん。
お母さん、よく育てたよなー」

そうです、そうです。
どれだけ小さい頃から
大変だったか。
次男は次男みたいな
子どもを育てて
私がどんな思いしてきたか
味あってほしいもんだ。

昔はそう思っていた。

でもある時、感じた。
どれだけ大変だったかを
味合わせたいのではなくて

大変で、もういやだ
と思いながらも
試行錯誤してきた
長い長い時間の先にあった、
思いもしなかった

喜び…

というのか
何とも言葉にしようがない
一切合切
全てを包みこんでくれるような…

全てが良きことに
かわってしまうかような…

自分の"知っている"を
はるかに超えたところにあった
わきあがってくる
ありがたいもの

それを知ってほしい

そんな気持ちになっていた。

でもそれは
もしかしたら私のように
子どもを通してでは
ないのかもしれないな。 

彼には彼で
必要なことが起こって
必要ならば
必要なことを
わからせてもらえていくのだろうな。

いやいや、
彼の方がもう既に
私より
知っているのかもしれないな。

今ここに
起こりしことは
全てみな
み親の愛の仕込みなりけり

私の大好きな言葉です。


メリークリスマス🎄