9話
本人のいない体育祭から
家に帰ると
次男は普通に家にいた。
来なかった理由を
きいても
何も言わず
笑ってごまかしていた気がする。
もともと
行く気はなかったのかもしれない。
私は見てきた、
本人のいない体育祭の
友達の子どもたちの話をした。
そういう話を彼は
普通に楽しそうに聞く。
俺には関係ない
どーでもいい
と耳をふさぐようなわけでもない。
不思議なところだ。
朝、行く行かないが
決まる時間以外は
我が家は普通だった。
くらーい空気感とかはなく、
普通に会話して
冗談を言って笑い
別にはれものに
さわるようなこともなく、
「明日は行くんやろね?」
くらいのことを普通に
聞いていた。
そして、朝になると
また、いつもの
起こして起きない→怒る
パターンが始まる。
私もこりないけれど
息子もこりない。
長男のアトピーステロイド離脱事件
の時、何年か
出口のみえないトンネルを
さまよい続けた。
その時のことを
思い出した。
このトンネルは
どうやって
ぬけていくのか
その頃はまだ全然
わからなかった。
